第31回 大脳新皮質と大脳辺縁系の構造と機能

 試験後に2回授業ができますので、最終章『中枢神経系の統合機能』を一通り取り上げることができます。

 前半は大脳の構造と機能について、新皮質と辺縁系に分けて考えました。これまで取り上げてきたことや解剖学で学んだ内容とかなり重複していると思いますが、よくい確認になるでしょう。

 新皮質が回と溝によって入り組んだ構造になっているのは、頭蓋によって閉ざされたスペースの中で細胞が増殖して大きな体積(あるいは表面積)を獲得した結果です。したがって、見た目以上に、大量のニューロンが存在し、そのおかげで高度な機能を獲得しました。

 その代表が前頭連合野における知性や理性でしょう。授業では最新のデータを紹介するというよりも、古典的な実験を紹介したにとどまりました。しかし、他の動物との比較から、人の脳がいかに優れているのかがわかったのではないでしょうか。なによりも、今こうしてインターネットに接続した機器を使って文章を読んでいることが、その証拠です。

 辺縁系は構成がわかりにくいため説明もしづらいですが、情動と記憶という、生物にとっても基本的な機能を担っています。来週取り上げますが、記憶といっても出来事記憶ですから、ややプリミティブで、その意味では情動と同じ領野が担っているということは理にかなっていると思います。

 扁桃体は、試験前の授業で取り上げた自律神経系への作用が重要ですが、情動の評価を担っている部位です。また、合わせて報酬系についても触れました。依存症の一つの根拠ともなるしくみですので、時間があれば調べてみるとよいでしょう。

 最後に取り上げた大脳の電気活動、脳波については来週改めて触れますので、各波形の特徴を頭に入れておきましょう。