第12回 跳躍伝導、興奮性シナプスと抑制性シナプス、シナプス後電位の加重、伝達物質

 昨日は、研究室に戻った後でWebinarの予定があったため、遅くなりました。

 グリア細胞はニューロンの機能を支える役割があります。これは軸索を包んで神経線維を構成するというだけではなく、今回取り上げたアストロサイトのような機能も含まれます。

 血液脳関門については構造的には解剖学で取り上げられるかもしれませんが、それ以外ではほとんど触れられることはないかもしれません。しかし、脳の機能を維持する上で欠かせないしくみです。

 有髄線維と無髄線維は構造が異なるだけではなく、伝導のしくみに大きな違いがあります。授業でも触れたように、伝導速度が大きいほど生存には有利です。したがって、高等動物ほど、進化の過程で後の時代に出現した動物ほど、その動物の神経線維の中での有髄神経線維の割合が高いようです。しかし、発生上やむを得ないのか、ヒトでも無髄神経線維の部分がいくつかあります。神経線維の一覧表でC線維の機能の例で示したような古くからある機能を担っている神経線維は未だ無髄神経線維です。

 跳躍伝導のしくみはそれほど難しくないと思います。伝導速度の大きさとともに、エネルギー消費の違いについてもより進んだしくみであることが分かるでしょう。

 神経線維は伝導速度によって分類し、それぞれに名称が与えられています。今後の授業では特に説明することなくこれらの名称で呼び表して進めていきます。

 また、興奮伝導の三原則についても触れましたが、こうした特徴は決して丸暗記をするのではなく、構造と機能を考える文脈の中で説明できるようにしておくこと。

 後半では興奮伝達のしくみを改めて考えました。化学シナプスは興奮性シナプスと抑制性シナプスに分けることができます。来週説明する伝達物質と受容体の組合せによって、シナプス後細胞に脱分極が生じるのか、過分極が生じるのかが決まります。脱分極が生じるということは、より活動電位が生じやすい=興奮しやすい状態になっているということです。一方で、過分極が生じているということは活動電位が生じにくい=興奮しにくい状態になっているということです。

 図で見たように、ニューロン(シナプス後ニューロン)は多くの軸索終末との間でシナプスをつくっています。そして、ここのシナプスで生じたEPSPとIPSPの総和がどうなるかによって、活動電位が生じるかどうかが決まります。多くのIPSPが集中することによって、一過的に大きな過分極が生じることもあり得るわけです。

 個々のニューロンについての複雑な加重現象を考える機会はありませんが、EPSPやIPSPが生じる現象を取り上げる機会は運動機能を考える場合など何度かあると思います。また、来週は伝達物質や受容体の機能と組み合わせて、そのシナプスが興奮性であるのか抑制性であるのかについても考えます。

 神経伝達物質の種類はそれほど多いわけではなく、その中でも授業で取り上げるのは数えるほどです。取り上げられた順に確実に頭に入れていきましょう。来週の授業ではそれほど詳しく説明しませんが、各器官の生理機能を考える上でより重要なのは受容体です。


 来週の予習範囲ですが、神経回路のうちの「周辺抑制(側方抑制)」は除きます。後期に改めて説明するので、今回は簡単に触れますが、うだけにします。また、第4章5の「中枢神経系の構造と機能」はプリントに加えた図をよく見ながら構造の特徴を中心にしっかりと頭に入れておくこと。ただし、「脳神経」の一覧表も中枢神経系の一部のような位置に入っていますが、この内容は省きます。

 また、『生理学のための化学』第12章「化学反応」には数カ所の誤字脱字があります。前後の文脈から意味は十分にとれると思いますので、特に訂正はしません。分からない部分があれば連絡して下さい。