2016年度 第13回 伝達物質と受容体、神経回路、体性神経系と自律神経系

 今回は最初に化学的シナプスにおける興奮伝達の主人公である神経伝達物質とその受容体を取り上げました。シナプス前ニューロンは1種類の神経伝達物質を産生し、シナプス小胞に貯蔵しています。代表的な神経伝達物質を取り上げて、名称を物質としての性質を簡単に説明しました。いずれも、今後神経系の機能を考えていく上で、伝達物質の名称を挙げて説明することがありますので、よく覚えておいておくように。

 その神経伝達物質が興奮性シナプスのシナプス前ニューロンで産生されるのか、あるいは抑制性シナプスのシナプス前ニューロンで産生されるのか、ある程度決まっている物質もあります。しかし、そのシナプスが興奮性シナプスであるのか、抑制性シナプスであるのかは神経伝達物質受容体(とイオンチャネル)の機能によって決まります。したがって、単に伝達物質の名称とシナプスの性質を結びつけるのではなく、受容体の機能も一緒に考えられるようにしておきましょう。

 神経伝達物質受容体は大きく2つに分けられます。これらの違いは、伝達にかけられる時間やしくみの多様さの違いによって使い分けられています。夏休み明けの授業で、ニューロンと骨格筋がつくるシナプス(神経筋接合部)について考えますが、ここではできるだけ速く興奮を伝達する必要があるため、イオンチャネル形受容体がはたらいています。

 興奮性シナプスと抑制性シナプスでの興奮伝達は、神経回路を考えるとよく分かると思います。授業では簡単なしくみをいくつか例題として考えましたが、これらのしくみを考えながら、シナプスでの興奮伝達の実際をよく理解しましょう。

 中枢神経系の構造と機能はすべて割愛しました。すでに解剖学で学んでいる内容とオーバーラップしているという理由もありますが、後期には感覚機能や運動機能の中枢、自律神経系の中枢、そして大脳皮質を中心とした高次機能(統合機能)のはたらきについて取り上げていきます。あらかじめ頭に入っていた法外胃部分もたくさんありますので、各自で取り組んでください。

 授業では末梢神経系、特に自律神経系の構成と機能を取り上げます。生理学2ですでに循環器系や呼吸器系の神経性調節として自律神経系の作用、特に交感神経系と副交感神経系のはたらきを学んでいると思います。それぞれに対する作用を個別に学ぶことが基本ですが、全体としてどのような特徴があるのかをつかんでおくとより理解しやすくなると思います。来週の授業で、これら2つの神経系について、その特徴を考えます。