第1回 イントロ、階層性と恒常性

 第1回目の授業はいかがでしたか。久しぶりの学校生活で、「こんなはずでは」と感じることも多いかもしれません。あまり先を見てもしょうがないので、まずは目先のことを一つ一つ解決していきましょう。

 授業の方針については繰り返しませんので、必要があればプリントをよく見直しておきましょう。また、2年生や3年生に知り合いがいれば尋ねてみるとよいでしょう。よい評判も悪い評判も、いろいろ耳にすることができるはずです。

 さて、生理学がカバーする領域は幅広く、基礎医学においては解剖学とともに車の両輪のような役割を果たします。医学部などでは生化学という科目がありますが、広くは生理学に含まれていると考えてよいでしょう。こうした点でも、狭い意味での生物学の延長としてではなく、正常な人体の機能を考える上では幅広い自然科学の知見、高等学校までに学んだ内容でいえば理科と数学の知識と考え方を前提とします。

 生理学を学んでいく上であらかじめ知っておくべきは、生体(生物)には階層性と恒常性があることです。同時に、生体に階層性があり、恒常性があるとはどういうことかを1年間かけて学んでいくと思っていいでしょう抽象的ではあっても概念として知っておき、さらに、1年間かけてそれがどういうことなのかを具体的に考えられるようにしていくのが生理学の学習です。

 現象を考える上で必要な用語や状態を示す数字(と単位)が次から次へと取り上げられます。医学あるいは最も広く生命科学の学習は、数学や物理学のように演繹的な思考で考えるというよりも、知識を順に積み上げていく帰納的な手法が必要な分野です。そして、全体の中から大きな法則性を見いだしていくところに醍醐味があります。

 今回は階層性に関してせつめいしました。途中までしかできませんでしたが、ここでも用語とその意味・概念、そしてそれぞれの間の関係をしっかりと理解しておきましょう。理解するというのは、単に覚えるということではなく、これまでに自分が身につけている知識や体験と結びつけて、それらを自由自在に説明できるということです。それぞれについての具体例を挙げられることもその1つです。

 来週は階層性と恒常性について、概念とともにいくつか必要な具体例を考えてみます。また、『生理学のための化学』では、階層性の最も低位に位置する物質の基本概念を確認します。