2016年度 第11回 興奮の伝達、ニューロンとグリア、神経線維

 今回は最初に先週に引き続き、「興奮の伝達」のしくみを考えました。化学シナプスは伝達物質が仲立ちとなって興奮が伝達されるところが最大の特徴です。したがって、受容体が必要であり、興奮はシナプス前からシナプス後に一方向に伝わり、シナプス間隙も必要です。伝達に時間がかかるというのも伝達物質がはたらいているが故です。

 生理学2で学んだように、心筋は隣り合った心筋細胞どうしが介在板で結合し、そこにはギャップ結合があるため、イオンが行き来することができます。これがイオン電流となって心房、心室がそれぞれ機能的合胞体になっています。こうしたしくみは電気的シナプスといいます。化学シナプスとは全く異なる構造的、機能的特徴を持っています。

 ここまでで、興奮性細胞、特にニューロンに刺激が加わることによって電位変化が生じ、それが活動電位となること、さらに、その活動電位が生じるという状態(すなわち興奮)が同一細胞内を伝導し、さらに他の細胞にまで伝達されることを学びました。今後生理学1&3では興奮性細胞とこれらの細胞が中心になってつくりあげている組織や器官、器官系の働きを順に学んでいきます。ここまでの理解が不十分だとこの先のあちこちでつまずくことになりますから、しっかりと復習をしておくこと。また、途中で分からないことが出てきたときに、分からないままで済ませるのではなく、必ず元に戻って見直してから先に進むようにしましょう。

 さて、今回の後半では神経系を構成する主要な細胞であるニューロンとグリアを取り上げました。ニューロンは興奮性であるということが最も大きな特徴ですから、すでに学んでいるわけですが、個々の細胞の構造やどのように集まって組織を作り上げているのかを順に考えていきます。そして、ニューロンが集まって作る組織の構造や役割を考えていく上でグリアの性質もよく理解しておく必要があります。グリア細胞には多くの種類がありますが、授業では特に重要な細胞、今回は神経線維をつくる細胞を説明しました。

 神経線維はその構造から2種類に分類できます。どこがどのように異なっているのか、各自でよく整理しておくようにしましょう。来週の授業で、その構造の違いが興奮の伝導に対してどのように影響するのかを考えます。生物の組織の変化がどのように機能に結びつくのかを考える上でも重要なヒントになると思います。