2017年度 第20回 内臓感覚、痛覚の特徴、味覚

 先週の授業は、冒頭で体性感覚の中枢についてまとめました。脳、特に感覚機能には「体部位局在」やこれとよく似た特徴を持つ領野が他にもありますが、一次体性感覚野は非常にわかりやすい局在性を示します。ホムンクルスとして描かれた図を見ても分かるように、その局在性には大きな特徴があります。図を見ながら順序をよく頭に入れておきましょう。先々週の授業で取り上げた体性感覚の伝導路を示す図(p245ほか)の中で、視床からの三次ニューロンの伸びる先をよく見てみましょう。それぞれ、下肢や上肢、あるいは顔面などの中枢部位へ入っているのが分かると思います。

 授業ではヒトについてのみを考えましたが、他の動物にも一次体性感覚野が脳の特定の領域に存在し、体部位局在が存在します。ただ、ヒトとは割り当てられている部位の大きさが全く異なっています。どのように異なっていると思いますか?

 先週は痛覚についてのいくつかの特徴を取り上げました。雑駁な内容でしたが、中でも重要なのは内臓痛覚の痛みの特徴と関連痛(放散痛)、そして、オピオイドです。いずれも他の科目でも取り上げられるでしょうが、この機会に理解しておきましょう。また、ストレス反応については概略を説明するにとどめましたが、内分泌系の機能を学ぶときに合わせて見直してみましょう。いくつかのホルモンのはたらきをひとまとめにして理解することができると思います。

 後半では特注感覚に入りました。今回は味覚について、その感覚の特徴と受容器・受容体を取り上げました。

 味覚の基本的な機能は「動物として生きていく上で必要な機能」という点に注目して考えています。基本味もこの観点から大きく2つに分類してみました。基本味物質の検知閾などと合わせて考えるとわかりやすいでしょう。

 味覚受容に関するしくみは、味蕾の構造と味細胞のはたらきをしっかりと理解した上で、各味物質ごとに存在する受容体、または受容体型イオンチャネルを考えましょう。これら膜タンパク質に味物質が作用することによって味細胞に電位変化が生じ、さらに、味細胞から味神経へ興奮が伝達されます。プリントで「味神経」としたのは、単一の神経をさすわけではなく、味細胞からの興奮を受ける神経という意味で示しました。明日の授業で取り上げるように、味蕾の部位によって神経が異なります。

 明日は、嗅覚を取り上げた後、聴覚に入ります。まずは、聴覚の適刺激である「音波」について説明します。


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 加納 安彦
 名古屋大学環境医学研究所
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