2018年度 第2回 生体の階層性と恒常性

 今回は先週に引き続き、生体がどのような階層で成り立っているのか、内部環境の恒常性が維持されるとはどういうことであるかを考えました。

 階層の重なり方は小テストでも問いましたが、常に頭に入れておくべきことです。簡単ですが、非常に縦横なポイントですので改めて確認をしておきましょう。

 最も小さい階層である化学物質(原子や分子)ですが、これらは「化学」で学んだという意識が強いでしょう。生命現象は物質の相互作用として説明することができ、膨大な知識の蓄積があります。したがって、生命現象のメカニズムを学ぶためには避けて通れません。

 授業で取り上げた元素の名称や記号は化学的な現象を考える上での基本です。配布した周期表も参考にして改めて確認しておきましょう。また、それぞれの分子の特徴、特に高分子の構造と機能は授業の進捗に合わせて少しずつ解説をしますが、各自で『生理学のための化学』を順に取り組んでいくこと。

 細胞内にはさまざまな多くの分子や分子が集まってできた構造体(=細胞小器官)があります。しかし、これら単独では『生命現象』を営んでいるとはいえないため、生物学的な特徴を持つ構造的、機能的な最小単位は細胞です。人体には大きく分けても200から300種類の細胞が存在します。それぞれごとに、形態も機能も、またその細胞がどこにどれくらいの数あるかも異なっています。解剖学では形態の面から、生理学では機能の面から、これら細胞について考えていきます。プリントの「カタログ」に掲載された210種類は、いずれも何らかの形で取り上げられるでしょう。

 部位に応じて同種の細胞が集まり、一定の構造と機能を持った状態が組織です。細胞どうしが密に集まっている組織もあれば、粗になっている組織もあります。説明した4種類の名称と特徴をよく頭に入れておきましょう。授業では胃を例に挙げました。プリントの「参考:消化器系~」でも胃を取り上げ、p20に胃壁の構造を組織ごとに示し、さらに内腔側の粘膜=上皮組織については細胞の構成を図示しました。胃粘膜の中でも胃腺は多種類の細胞が組み合わされて構成されていますが、いずれも上皮組織に分類される細胞種です。

 組織が、器官としてまとまると固有の形態を持ちます。器官を「器管」と間違えるケースによくであいますが、言葉や字の意味をよく考えましょう。英語では”organ”で、語源などはここを参考にして下さい。

 器官がいくつか集まって、器官系をつくります。消化器がよい例です。「消化」器といいますが、消化器系の機能は大きく分けると、食物の摂取、消化液の分泌、食物の混合と移送、食物の消化、栄養素の吸収、排便と六段階に分けられます。これら一連の機能を全うするためには一つの器官では不十分で、いくつかの器官の機能を合わせることによってはじめて実現します。

 やや長くなりましたが、生理学1では、生体の機能単位である「細胞」について、できるだけ分子レベルでの現象を中心にして考えるところから始めます。

 後半で取り上げた「恒常性」、「ホメオスタシス」は、それぞれの考え方を提唱したベルナール、キャノンの名前とともに、概念を言葉で説明できるようにしておきましょう。これらの概念は多くの具体例によって裏付けられています。生理学を学ぶということは、これらの具体的な事実を順に身につけていくということに他なりません。

 今回は、その基本となる体液について簡単に説明しました。細胞外液と細胞内液、さらには間質液と血漿の組成や量がどのように維持されているのかは声帯全体のホメオスタシスを考える上で最も重要なしくみです。多くの器官系の機能が関わっていますので、説明は簡単ではありません。まずは、その量や組成の基本的な事柄を頭に入れておきましょう。

 小テストの模範解答と簡単な解説を別途掲載したので各自で確認すること。