2016年度 第21回 味覚、嗅覚

 今週は化学感覚である味覚と嗅覚を取り上げました。それぞれ、化学物質が口腔あるいは鼻腔に入るときの状態は異なりますが、受容器細胞と反応するときにはいずれも水溶性の状態です。イオンチャネルを通過あるいは受容体と結合することによって受容器細胞に脱分極を生じるという点で共通しています。

 舌や乳頭の構造は解剖学で学んだと思いますので、味蕾、味細胞の構造と性質をよく見直しておくように。基本味は5種類あり、いずれも味毛の受容器と反応して(またはイオンチャネルを通過して)味細胞に興奮が生じると、味神経に興奮が伝達されます。伝導路の特徴は、舌から孤束核までの脳神経の分担をよく確認しておくように。そして、二次ニューロン、三次ニューロンと介して一次味覚野へ興奮は到達します。大脳皮質(新皮質)での一次味覚野の場所を必ず確認しておくこと。

 鼻腔の構造は各自で見直してください。その上で、嗅上皮、篩板、嗅球などの構造も確認しておきましょう。嗅細胞は味細胞と異なり、双極ニューロンです。つまり、一方の樹状突起が嗅毛(嗅小毛)として鼻腔側へ出ており、他方の軸索は嗅神経として篩板を通過して嗅球へ伸びています。中枢部位がいくつかの部位に渡って広がっているため、嗅球から後の伝導路もすっきりとしたものではありません。梨上皮質な眼窩前頭皮質、扁桃体などは嗅覚情報が集まり、さらに他の反応を引きを超すことに関わるという点で重要な部位です。

 味覚も嗅覚も情動反応などを引き起こします。消化機能などに関わる本能行動を引き起こす引き金にもなっています。こうしたことも、他の感覚にはない特徴ですので、頭に入れておきましょう。

 来週は聴覚を取り上げますが、はじめに聴覚の適刺激である音波について取り上げます。また、聴覚器、つまり耳=外耳、中耳、内耳の基本的な構造は予習として、解剖学で学んだ内容をよく見直しておくこと。