第24回 視覚機能(遠近と明るさの調節他)

 今回は視覚機能のうち、水晶体・毛様体と虹彩・瞳孔の機能を考えました。

 構造についてはよく確認しておきましょう。構造の特徴を知ることなくして機能を理解することなくして、機能はできません。

 授業でも強調したように、水晶体は非常に弾性のある構造です。したがって、遠くを見るときに毛様体が収縮すると、毛様体小帯が緩み、水晶体に対して周囲から張力がかからない、あるいはかかっている張力が弱い状態になります。この結果、水晶体は自らの弾性によって自然に縮んで円くなります。したがって、それぞれにとっての近点に焦点を合わせているときが最も縮んだ状態と考えてよいでしょう。

 円くなっていると、そこへ入射した光は大きく屈折をすることになります。この結果、近傍から鋭角で入射した光線でも網膜で焦点を結ぶことができます。

 水晶体の弾性が失われていいくと、縮む度合い、すなわち縮む度合いが小さくなり、入射光を大きく屈折させることができなくなります。この結果、近くの物体に対して焦点が合わなくなります。

 一方、遠くを見るときは毛様体筋が弛緩するため毛様体小帯が伸びた状態となり、これが水晶体を周囲に向けて引っ張ることにつながります。毛様体筋の弛緩の程度が大きいほど毛様体小帯が伸び、水晶体も扁平になります。入射光は水晶体に対して垂直に近い状態で入射するため、屈折角が小さくなります。こうして、遠方の物体に焦点を合わせることができます。

 今日追加で配布したプリントでは、毛様体筋の収縮・弛緩と毛様体小帯の緊張の度合いがわかりやすいと思います。よく見直しておきましょう。

 眼球への入射光の多少を調節するのは瞳孔の大きさですが、この瞳孔の大きさは虹彩を構成する2つの平滑筋の収縮と弛緩によって調節されます。瞳孔括約筋は副交感神経によって支配され、明るいあるいは強い光が入射したときに収縮します。逆に、瞳孔散大筋は交感神経によって支配され、薄暗いあるいは弱い光しか入射していないときに収縮します。

 2つの平滑筋の神経支配と、光の強さによる反応の違いをよく頭に入れておきましょう。

 後半では眼球運動を取り上げました。眼球には6つの外眼筋がついており、3組ずつほぼ対角線上に位置します。支配神経の組合せは複雑ですが、せっかくですのでこの機会に頭に入れてしまいましょう。滑車神経は「滑車」とよばれるところを通過することに由来しますが、滑車(とよばれる構造)をくぐっている上斜筋を支配すると考えれば覚えやすいでしょうか。外転神経は眼球を外転させる外側直筋を支配しています。残りはすべて動眼神経によって支配されています。

 p371上図の左側の一番上が「前頭骨」となっていますが、「滑車」の誤りです。訂正しておいて下さい。

 近視の人も多いでしょうし、老視を感じている人もいることでしょう。それぞれどの様な状態であるのか、自分に引きつけてよく考えてみると理解が進むと思います。


来週は網膜の構造と光に対する反応のしかた、そしてその情報がどのように中枢=一次視覚野へ伝えられるかを考えます。また、色の感覚についても時間の許す限り説明したいと思います。