第10回 脱分極と活動電位、興奮の伝導

先週の授業で取り上げた静止膜電位は、「細胞内外のイオンの分布」と「細胞膜を介した物質輸送」をもとにして考えました。今週のテーマである脱分極と活動電位も同様に、この二つの内容の理解を前提にしています。基本的な概念も具体的にいろんな問題を考えることによって理解が深まります。第3章で取り上げているないような、細胞膜に関するいろんな知識の応用問題として取り組んでください。

さて、脱分極という現象はニューロンに何らかの刺激が加わることによってイオンチャネルが開口することによって生じます。細胞にとって何が刺激であるのか、あまり具体的に説明できていないためわかりにくいと思います。授業でも触れたプリント98ページ以降の説明で理解できると思いますが、生体内で直接外部からの刺激を受ける細胞=ニューロンは感覚受容器です。また、活動電位を生じる最大の要因である電位依存性ナトリウムチャネルも電位変化という刺激に反応しています。

脱分極は細胞外から細胞内に陽イオンが流入することによって生じ、過分極は細胞内へ陰イオンが流入することによって生じます。この二つの概念を理解しておけば、活動電位という現象はそんなに難しくないと思います。プリントではいくつかの図を使ってやや詳しく説明をつけました。図を見ながら説明をよく読み、じっくりと考えましょう。

活動電位がどのように生じるのかが理解できれば、興奮の伝導はわかりやすいと思います。来週は「興奮の伝達」を取り上げますが、興奮の伝導の後に生じる現象ですから、今週の内容はしっかりと復習しておきましょう。

来週は、第3章5(2)ニューロンと筋細胞での興奮の伝達をスキップして、第4章神経系の基礎に入ります