2017年度 第15回 骨格筋の収縮、筋のエネルギー供給と筋の種類、運動単位

 前期最後の授業で、今日の進んだところまでが前期試験の範囲です。最後はやや駆け足で説明しましたが、しっかりと復習しておくように。

 運動ニューロンから骨格筋線維への興奮の伝達と筋線維の収縮・弛緩についてはプリントp
202ページの図を見ながら自分で説明できるようにしておきましょう。何事も自分の言葉で説明できるなれば、その内容を理解していると考えていいでしょう。逆に、理解を進めるためには、できるだけ、図などを見ながら(言葉で書かれた説明を見ずに)説明できるように心がけるのが早道です。

 いくつか重要なポイントがあります。
 興奮の伝達では、なんと言っても伝達物質と受容体の作用です。基本的な興奮の伝達のしくみを考えることとも重なります。
興奮収縮連関については、カルシウムイオンの役割を中心にして考えられるようにしましょう。
筋の収縮・弛緩については、2つのフィラメントの構造と作用を考えましょう。たんぱく質の機能を考えることが大切です。

 筋線維でのATP産生については、「代謝」に関する基本的な知識が必要です。生理学2の内容のおさらいと重ねるといいでしょう。細胞呼吸(解糖系、クエン酸回路、電子伝達系)は生体での代謝機能を考える上で必須です。その上で、筋線維の種類を3つに分けて、共通点と相違点をはっきりさせておきましょう。

 非有酸素反応は解糖系とローマン反応を合わせて考えることもできますが、いずれも酸素を用いずにサイトゾルで生じる化学反応です。この反応システムはⅡ型筋線維でよく発達しています。その分、Ⅱ型筋線維にはミトコンドリアが少なく、有酸素反応は特異ではありません。一方、Ⅰ型筋線維は非有酸素反応は相対的に弱いですが、ミトコンドリアが多いため有酸素反応のしくみが発達しています。グリコーゲンはグルコースを産生するために必要な物質ですから、非有酸素反応で利用されます。ミオグロビンは酸素を結合・貯蔵しているたんぱく質ですから、有酸素反応に関わっています。

 型筋線維のうち、ⅡA型筋線維は非有酸素反応だけではなく有酸素反応のしくみも発達させています。

 筋組織としては3種類の筋線維の混合体と考えられるため、それぞれの筋線維ごとに独立して運動ニューロンによって支配されています。つまり、1個の運動ニューロンは同一種類の筋線維だけに興奮を伝達します。この1個の運動ニューロンと、この運動ニューロンが支配する(興奮を伝達する)筋線維をひとまとめにして「運動単位」といいます。筋組織は運動単位ごとに収縮します。ただし、ある筋を支配する運動ニューロンがすべて同時に興奮するわけではなく、多くの場合、非同期的に興奮します。したがって、筋線維も、ある運動単位が収縮していても別の運動単位は弛緩しています。この結果、特に強度の強い運動の場合には、筋疲労を遅らせて筋全体の収縮を長時間持続させることができます。

 運動単位についてはやや説明不足のところがありますので、試験後の授業で捕捉します。

 第5章では割愛した部分もいくつかありますが、後期のどこかで取り上げようと思います。したがって、10月の最初の授業では、運動単位に関して少しだけ説明を加えた後、新たに配布されるプリントにしたがって第6章「感覚機能」に入ります。