新しい元素の名称が発表されました。

 新聞やテレビなどで大きく報道されているので皆さんご存じだと思います。昨年末に発表された新しい元素、日本の研究グループが発見した113番目の元素の名称(案)が発表されました。正式に決まって周期表に掲載されるまでにはもう少し時間がかかるようですが、たぶんこのままとおるでしょう。

 4月の授業で『一家に一枚周期表』を配布しました。改めてよく見てもらうと、いまのところ、人類が認識している元素は118種類。そして、113番目には「ウンウントリウム」という名前が入っています。元素としてははっきり認識されていても未だ無名ということを意味しています。元素名の末尾は「ium;イウム」とすることになっています。したがって、日本語で言えば「何とか元素」、「何とか素」というような意味の名称しか与えられていなかったということです。この他に、115番、117番、118番も同様です。

 発見グループのリーダーの森田さんは記者会見で「プルトニウムなどの、自然界にない(人工的に合成された)元素が原爆開発研究のなかで生まれたことは忘れてはいけない」との意味の発言をされていました。戦前は日本でも原爆開発につながる研究がされていました。リーダーは仁科芳雄。当時の日本を代表する物理学者でした。今回の発見グループは、その流れをくんでいます。つまり、今回の新たな発見につながる技術は核分裂や核融合に関する技術、つまり原爆や水爆をつくることにつながる技術を基にしてます。たとえ人類の認識の発展につながる発見であっても、科学技術の悪用・軍事利用と表裏一体であることを忘れてはいけません。今回のような大規模な科学研究に携わる人たちだけではなく、専門的な知識や技術を持つものであれば、いつも考えておくべき問題です。

 みなさんも今回の発見、命名をきっかけにして、改めて「物質」に興味や関心をもつきっかけになることを願っています。