ボローニャ大学解剖劇場

「趣味のページ」に年末のイタリア旅行を簡単に紹介しましたが、少し別の角度から振り返ってみます。試験も終わり、落ち着いてきたので、忘れないうちにまとめてみたいと思います。

 まずは、今回の旅行で是非ともいきたかった場所の一つであるボローニャ大学の解剖劇場を紹介します。

 北イタリア内陸の街であるボローニャはミラノからアドリア海側へ通じる街道の要衝で、古くから都市国家として栄えたところです。かつてはさまざまな物資の取引のために人が行き交い、それに関わる法手続などの研究が盛んだったようです。そんなところから若い人たちが多く集まり、専門家を招いて自主的に学ぶが場が作られていったでしょう。記録によると1088年にある程度の組織が作られ、ここからヨーロッパ型の大学が始まったそうです。

 中世以来、ボローニャ大学は法学と医学が盛んで、イタリアのみならず、ヨーロッパの中心として栄えました。「医療概論」でも学んだと思いますが、「ファブリカ」を作ったヴェサリウスが活躍したパドヴァ大学も、元々はパドヴァ大学医学部はボローニャ大学医学部の分校のような立場だったようです。

 このボローニャ大学は最も古い人体解剖の記録が残る大学としても知られており、13世紀にはすでに医学教育のための人体解剖が行われていました。後には一般に公開での人体解剖も行われたようで、そのための施設が作られていました。

 さて、今回は大学の祖ともいうべきボローニャ大学とそれを産んだ街、そして、今に残る解剖劇場を観てきました。

 現在ボローニャ市立図書館として管理されているDell’archiginnasio(アルキジンナジオ館)は1563年に建てられたもので、その中にある解剖劇場(Teatro Anatomica;解剖学大階段教室とも訳されています)は1637年にできたそうです。床、壁、天井のすべてが木製で、壁面には古代からの有名な医者の立像やボローニャ大学の著名な医学者の胸像が並んでいます。どれが誰かは全く分かりませんが、歴史を感じさせるだけでなく、敬虔な気持ちにさせてくれます。
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上の写真はパノラマ撮影したので、ややわかりにくいですが、解剖劇場入り口から内部全体を見渡したところです。解剖台(白い大理石製)を中心にして、周囲に階段状の席が設けられています。また、壁の所々に立像や胸像が並んでいます。

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 左は下座(?)から正面を見たところ。中央の細長い白い板は大理石製の解剖台。右は正面の、おそらく指導者(教授)が立った思われる席です。階段には上れないように成っていたため、下の段に立って撮影しましたが、最上段上部には天蓋(?)があります。天蓋を支えているのは「皮をはがれた人」。

 2年生になると岐阜大学医学部で解剖実習(見学実習)がありますが、その時に入る部屋は全く違う雰囲気ですから念のため。