第6回 細胞分裂、染色体、DNAとその複製

 今回は、はじめに細胞周期について簡単に説明しました。授業では細胞分裂と細胞周期の二つの用語をあまり区別することなく使いました。細胞分裂という場合には、分裂して数を増やしていく、まさに分裂する場面に注目していることが多いような気がします。一方、細胞周期という場合には、間期も含めて考えている場合が多いでしょう。したがって、DNAの複製という現象も、細胞周期の中の一場面と考えられます。

 DNAが複製される仕組みは非常に複雑で、かなりごまかして説明をしました。『生理学のための化学』第11章でも取り上げています。小テストの対象とするのはもう少し先ですが、時間を作って早めに目を通しておきましょう。

 しかし、重要なポイントは「半保存的に複製される」ということです。元々ある二本鎖のそれぞれの鎖の塩基の配列に対して相補的な塩基をもつヌクレオチドを向かいに置き、そのヌクレオチドを順につなぎ合わせていくとこによって、もとの二本鎖と全く同じ二本鎖が二つできあがります。

 DNAの複製の仕組みを明らかにするにあたっては日本人研究者も大きな貢献をしています。機会があればゆっくりと説明したいと思います。

 DNAの二重らせん構造とともに、さらに立体的に構築された染色体の構造も考えました。どうやったらあんなにコンパクトに、しかも常に同じ形態になるのか、実はまだよく分かっていません。しかし、複製された後に染色体がつくられ、1個の染色体は2本の染色分体がセントロメアで結合しています。そして、各染色分体が細胞1個分のDNAにあたり、細胞分裂によって染色分体ごとに分配されていくということが繰り返されています。

 細胞が増殖するだけでは、細胞の大きな集合体ができるだけです。生物の身体を形作っていくためには、細胞ごとに特別な構造と機能を獲得する必要があります。そのために、細胞ごとの異なった遺伝子の働きが必要です。次回は、遺伝子の構造と、それぞれの遺伝子がどのように発現するか=転写され翻訳されるのかを考えます。