第26回 視覚

今週は遠近の調節と明るさの調節という、水晶体と虹彩・瞳孔のはたらき、そして光受容部である網膜、特に視細胞の構造と機能を取りあげました。

遠近の調節は先週の最後で説明した内容と連続しますが、水晶体の厚みを変化させることによって光の屈折度合いを変化させ、ある距離から入射した光をうまく網膜に焦点させることができます。プリントでは「屈折異常」という言葉を使いましたが、近視の多くは眼球の前後径が長くなっており、自らの眼球の長さに合うように屈折できないという意味です。

水晶体には弾性があり、外部から力がかからなければ丸みをおびる性質があります。そして、周囲の毛様体(毛様体筋と毛様体突起)は水晶体の周囲を取り巻いています。毛様体筋が収縮すると、水晶体を取り巻く輪のような構造が縮小して、水晶体を引っ張る力が減少します。この結果、水晶体は自身の弾性で丸くなります。しかし、遠くを見るときには水晶体の周囲にある毛様体筋が弛緩して水晶体は全方向に引き伸ばされるため、扁平になってしまいます。

矯正のためのレンズの形状も簡単に説明をしました。少なくない人が日常的に使っている器具ですから理解しておくように。

明るさ、すなわち眼に入る光量の調節は虹彩をつくっている2種類の筋の収縮と弛緩によっています。それぞれの支配神経の種類と一緒に頭に入れておいて下さい。

小テストのBで、虹彩は遠近の調節時に変化して瞳孔が縮小すると注意書きをしました。上で説明した水晶体の周りの毛様体筋は動眼神経の副交感神経支配で、瞳孔括約筋と同じです。したがって、毛様体筋が収縮する、つまり、支配神経である副交感神経が興奮するわけで、瞳孔括約筋も一緒に収縮してしまうようです。

後半に取りあげた網膜については、構造は解剖学でも学んでいると思いますが、神経層の構造はよく見直しましょう。角膜・水晶体・硝子体と通過してきた光が網膜に当たって、網膜の細胞層をどのように通りぬけて視細胞にあたるのか、図を見ながら確認しておいて下さい。

視細胞の機能が重要ですが、説明がやや概略的でしたので、ややわかりにくいかもしれません。感光物質であるロドプシンの構造変化が細胞の膜電位を変化させ、これが視神経の興奮につながっているところをよく見直しておいて下さい。

ステレオグラムや盲点は1度試しておくといいでしょう。ステレオグラムはやり過ぎると気分が悪くなるので注意して下さい。