第4回 細胞と細胞膜

 長い連休でしたが、やることも多かったことでしょう。連休前に紹介した医学会総会などに行っていれば是非感想を聞かせて下さい。

 今回からいよいよ細胞の構造と機能を考えていきます。冒頭で紹介したように、17世紀から既に観察され、19世紀の初めには、細胞が生体の基本単位であることが明らかにされていました。ちょうど、ベルナールが恒常性の概念を発表した時期に一致します。したがって、この時期に現在につながる生命科学が始まったといってもいいかもしれません。

 今回の内容で最も重要なことは、細胞膜の構造が脂質とタンパク質からなる「流動モザイクモデル」で説明できるということです。そして、細胞膜の基本構造は脂質二重膜で、さらにその中心はリン脂質です。したがって、リン脂質の構造と両親媒性物質であることをよく理解しましょう。『生理学のための化学』第9章ではやや詳しく説明しましたので、小テストの順番にとらわれずにじっくりと読んでみましょう。また、構造を理解するためには、なんと言っても実際に図を描いてみることです。リン脂質も、頭部と尾部の二つの部分からなっているということが分かる程度でよいので、手を動かしてみましょう。眺めているだけでは絶対に理解できません。

 細胞膜を構成する脂質の3/4はリン脂質ですが、それ以外にコレステロールと糖脂質があります。特に、コレステロールは膜の強度を高めるために必須です。ややもするとネガティブなイメージで語られることの多い物質ですが、細胞膜の構造に必須であるということは生存に必須であるということです。合わせて頭に入れておきましょう。

 細胞膜の機能を大きく二つに分けるとすると、細胞内外の障壁としての機能と細胞内外での物質や情報の媒体としての機能に分けることができます。障壁としての機能は主に脂質二重膜が担っています。しかし、物質や情報の媒体としての機能の多くを果たしているのは膜タンパク質です。今回は大雑把に紹介しただけですが、今後さまざまな膜タンパク質を取り上げてその機能を説明します。また、生理学2&4でも触れられるはずですから、その都度良く確認しましょう。
 
 授業の冒頭で紹介した18世紀の複式顕微鏡やレーウェンフック単式顕微鏡の写真などは昨年、東京・上野の国立科学博物館で開催された特別展「人体〜神秘への挑戦」の図録に掲載されています。既に終わった展覧会ですが、公式のホームページはここです。http://www.kahaku.go.jp/exhibitions/ueno/special/2018/jintai/index.html、また、文献リストはhttp://www.kahaku.go.jp/exhibitions/ueno/special/2018/jintai/reference.html に挙げられています。