第30回 大脳皮質の機能と随意運動の伝導路、色覚

今回は運動機能の調節のうち、大脳皮質の運動性皮質とそこからの伝導路について取りあげました。

運動性皮質は大きく3つの領野に分けて、その機能が調べられています。一次運動野の機能はかなりはっきりとしていますが、それに比べると運動前野と補足運動野は曖昧です。

運動前野と補足運動野について最新の研究成果を十分にフォローできておりませんが、両者がそれぞれ異なった機能を持ち、一次運動野から出力される情報をつくる立場にあることは間違いなさそうです。国試で問われることはないでしょうが、さまざまな障害を持つ患者さんの症状を理解する上で必要な知識だと思います。是非自分なりに勉強する時間をつくるようにして下さい。

一次運動野は中心前回にあり、一次体性感覚野と中心溝をはさんだ位置にあります。その特徴は一次体性感覚野と同様で、対側を支配し、体部位局在も全く同じように並んでいます。この後で取りあげた伝導路と合わせて理解して下さい。

中心前回のうちで大きな部位を割り当てられている体部位の筋に対して、より多くの運動ニューロンからの神経線維が分布しています。そして、これら運動ニューロンに対して、一次運動野の広い領域=多量のニューロンからの神経線維が接続していることになります。

また、一次運動野と一次体性感覚野の違いを挙げておくと、一次運動野では大脳皮質外側下部(側頭葉との境界に近い部分)に、"Vocalization=発声"、"Salivation=流涎(りゅうせん)"、"Swallowing=嚥下"、"Mastication=咀嚼"などの機能による割り付けがされていることです。全体の中でかなり大きな部位が割り当てられていますが、ヒトにとって顎や舌などを使った一連の運動が以下に重要であるか、あるいは大きな意味を持っているのかを示しています。

随意運動の伝導路である皮質脊髄路と皮質延髄路もこの一次運動野から発しています。っぷりんとの図をよく見ると分かりますが、皮質脊髄路は頭頂部付近、すなわち体幹や四肢に対応する領域から発し、皮質延髄路は下部、すなわち顔面から下顎、頸部にかけてに対応する部位から発しています。一次運動野の領野の面積=ニューロンの数とすると、上にも記したようにそれぞれの部位から発する伝導路の規模を推し測ることができると思います。

皮質脊髄路と皮質延髄路の走行についてはプリントの図の通りです。1度自分で図を描いて頭に焼き付けておきましょう。

最後に色覚について簡単に説明しました。網膜・錘状体細胞の特性を理解してもらえればと思い取りあげたのですが、時間も少なくかえってわかりにくくなったかもしれません。色盲が生じるメカニズムについては多少なりとも遺伝学を理解していないとわかりにくいと思います。次回(木曜日)に追加プリントを配布します。説明する時間はありませんが、1度自分で考えてみて下さい。

次回はカリキュラム上はエキストラです。内容は重要ですが、気楽にやりましょう。