第17回 運動単位の分化、感覚総論


 後期最初の授業ですが、前期のやり残しを簡単に説明して、感覚機能に共通する特徴を概観しました。

 単一の運動単位の収縮が単収縮で、運動単位の特徴(その多くの部分は構成する筋線維の性質に依存します)に応じて収縮速度や張力に大きな差があります。

 追加で配布したプリントは、1973年に発表された論文に掲載された図の抜粋です。運動単位の特徴が非常によくわかる実験で、教科書にも引用された部分です。実験の説明は改めて要約して掲載しようと思いますが、まずは自分でよく見直しておきましょう。また、原文を読んでみたいのであれば、コピーを渡します。

 さて、後期の前半は感覚機能を取り上げます。説明したように、体性感覚、特殊感覚の順で考えていきますが、どんな感覚も受容器が適合刺激を受けることからすべてが始まります。

 各受容器の適合刺激が具体的にどのようなものであるのか、いくつかの刺激についてはわかりにくいかもしれません。いずれも物理的、化学的に説明できるべきものですが、その都度必要な範囲で概説します。

 来週取り上げる表在感覚については簡単でしょう。皮膚あるいは体表への機械的な刺激や温度変化が中心です。化学物質を適合刺激とする受容器もあります。これらの刺激により、触覚や圧覚、温度感覚などが生じます。

 感覚器系の構成をそれぞれ一言で言うならば、受容器、伝導路、中枢の三つです。授業でも触れたように、常にこの3つを意識しながら考えていくと整理しやすいでしょう。

 伝導路と中枢については、脊髄や脳の構造に触れることになります。解剖学でも学んでいるかと思いますが、不十分であると思ったならば自分でよく復習しておきましょう。また、特殊感覚の伝導路では脳神経も取り上げます。感覚神経を含む脳神経としていくつか取り上げられたはずです。これらも見直しておきましょう。

 感覚の中枢の機能を考える上では、感覚の投射という現象も押さえておきましょう。授業では「目から火花が散る」という例を挙げましたら、プリントには「幻肢痛」も取り上げました。投射の例としてはやや不適切ですが、中枢が機能しているからこそ感覚が生じるということを理解する上では、分かりやすいと思います。

 刺激の強さとそれによって生じる感覚の大きさの関係は、単純ではありません。しかし、刺激の強さがある範囲内であれば、ウェーバーの法則が成立し、刺激強度と弁別閾の間にはきれいな比例関係があります。まずは、このことをよく頭に入れておきましょう。

 順応は日常的に体験することですから、現象としては説明する必要も無いでしょう。特に、嗅覚の順応は分かりやすいと思ったので、例として取り上げました。

 来週からは各感覚受容器の構造を具体的に考えていきますが、大きくは今日の最後に説明した3つのいずれかのタイプです。体性感覚受容器は自由神経終末や被包神経終末が多く、特殊感覚受容器は独立した細胞が受容器として機能することが多いですが、一次感覚ニューロンから、二次、三次と順に興奮を伝達して各感覚の中枢へ情報が伝えられるという点は共通しています。

 来週は表在感覚を取り上げますが、今日の授業で割愛した「感覚単位」や「側方抑制」にも触れますので、第6章と、できれば第4章のプリントも忘れないように。