第3回 イオン、pH、恒常性・ホメオスタシスと体液

今日は体液の区分と組成を簡単に取り上げました.また、内部環境の恒常性、ホメオスタシスについて、言葉の定義と体液を例にして簡単に説明をしました.

3回目にして、やっと生理学らしい話題になってきましたが、2週間の水入りとなってしまいます.早めに1度復習し、さらに途中でもう一度おさらいをしておくといいかもしれません.また、時間をつくって、第1章補遺をよく読んでおいて下さい.今後の授業でざっとした説明はしますが、それだけでは理解しにくいところも多いと思います.予習をかねて、あるいはこれを機会に一気に勉強を進めてしまうのもいいかもしれません.また、久々に学校生活をする型にとってはいい意味で緊張をほぐすことができるのではないでしょうか?

さて、今日は始めにイオンについて簡単に説明しました.すでによく分かっている方には退屈だったかもしれませんが、今後の授業で、今日の知識は必須です.改めてよく見直しておいて下さい.今後、イオンの名称や化学式(イオン式)の表記について、特に説明した入り、スライドに注釈を入れたりすくことはないと思います.不確かなことがあれば各自で調べて下さい.

授業でも触れましたが、細胞内液と細胞外液のそれぞれで、最も濃度の高い陽イオンと陰イオンはしっかりと頭に入れておいて下さい.体液の性質を考える上で、また、前期の中心であるニューロンや骨格筋線維の性質を考える上で欠かせない知識です.授業で用いた体液中の電解質濃度のグラフなども利用して下さい.

pH
の概念も非常に重要です.次回の授業の冒頭で、体液のpHを調節するしくみについて少しだけ触れます.個体レベルでは、呼吸器系や泌尿器系を中心に、循環器系、内分泌系が関わって一定の範囲に収まるように調節しています.生理学2&4で取り上げられますが、血漿のpHは何よりも重要な知識ですので、先ず頭に入れておいて下さい.

他の授業でも、その分野の学問、研究の発展の上で忘れてはならない発見や事件、あるいは人物の名前などが、今後たくさん出てくると思います.1つの体系を学ぶということは、できあがった知識を身につけるだけではなく、その分野の成り立ちや発展の歴史を理解するということでもあります.生理学の発展の中で、『内部環境の恒常性』、『ホメオスタシス』は最も重要な概念です.これらのしくみを理解することこそが生理学であると言っても過言ではありません.したがって、ベルナールやキャノンの名も忘れないで下さい.

第2回 生物の階層性(消化器系)、元素、原子、分子

今日は前半で消化器系を例にして、器官系、器官、組織、細胞という階層性をどのようにとらえるのかについて考えてみました。

授業とは逆のアプローチでまとめると、
さまざまな機能や形態をもった細胞があり、それらが集まって組織を作っています。これらの細胞は、例えば、形態的には単層円柱上皮で、機能的には消化に必要なものを分泌したり、分解・消化されてできた栄養素を吸収したりしています。こうした細胞たちが集まって1つの組織を構成しています。
さまざまな役割を担った組織が集まって器官(臓器)をつくっています。器官が異なれば、同じような部位でも細胞の種類や組織の集まり方も異なり、結果として期間全体の形態や機能が異なります。こうしてさまざまな器官が作られているわけです。
いくつかの異なった形態と機能を持つ機関が集まって器官系をつくり、1つの仕事を成し遂げています。食物を摂取し、消化分解して、栄養素を吸収し、排泄するまでは一連の流れで進めた方が効率的です。しかし、すべてを同時にはできず、順番に進めていくしかありません。これを時間的にもスペースの点でも、いかに効率的にやるか、生物が進化の過程でさまざまな試行錯誤があったはず。その1つの解答が、我々哺乳類の消化管、消化器系です。それぞれの動物の食性にマッチした、すばらしいしくみを作り上げています。

後半は、一転して化学の授業のようになりましたが、生理学を学ぶ上で物質に対する化学的な理解は必須です。来週以降、水やイオン(電解質)、さまざまな高分子の名称が次々に出てきます。これらの概念が分かっていないと、最初でつまずいてしまいますので、昔の教科書などが残っている人は時間をつくって見直しておくといいでしょう。

原子の構造は、電子殻に注目しながらじっくりと見ておいて下さい。また、正の電荷を持つ陽子と負の電荷を持つ電子が同じ数であることも重要です。来週イオンの説明をしますが、ここが分かっていないと理解が難しくなります。また、分子をつくるときの共有結合のでき方も電子殻の考え方がもとになっています。

水分子は、小型の分子でありながら大きな極性を持っていることが最大の特徴です。この分子が存在するおかげで地球上には生命があふれているのです。来週はこの水と水にさまざまな溶質を含めた体液について考えてながら、生理学上の重要な概念であるホメオスタシスを取り上げます。途中で、体液の最も重要な構成要素であるイオンやpHについても触れます。

第1回 イントロ、生物の階層性

はじめまして.改めて自己紹介しておきます.

普段は名古屋大学で研究を中心にした仕事をしておりますが、週に1回だけ中和医療で授業をもっております.今年度で13年目(?)です.専門は分子生物学といい、今日取り上げた生物の階層性の最も階のレベルである、分子(あるいは化学物質と言い換えてもいいです)の構造と機能から生命現象を考えようという分野です.また、最近は皆さんのようなコメディカルの分野を目指す方々や、広く一般の方々に生物あるいは人体のしくみなどについてどうやってうまく説明したり、知識を広げたりしていけるかということにも興味を持っています.

さて、今日ははじめてでしたので、全体のイントロダクションに少し時間を割きました.他の先生方の授業スタイルが全く分かりませんので我流でやっております.気がついたことがあれば遠慮なく申し出て下さい.

今日は『生物の階層性』について、個体〜細胞レベルについて概略を説明しました.いくつか重要な言葉:テクニカルタームが出てきましたが、しっかりと覚えておいて下さい.「テクニカルタームを覚える」ということは、その言葉を記憶すればいいということではなく、当然、意味あるいは概念を理解し、他の言葉との関連をしっかりと考えられるようにするということです.したがって、何が重要であるか、あるいは何を覚えるべきであるかは自分で考えて下さい.

生理学の教科書も目次を見ると分かりますが、今日取り上げた『器官系』ごとに章だてされています.つまり、機能のまとまりごとに勉強していくということです.そして、それぞれの器官系を、器官ごとに詳細に学んでいきます.また、ある器官系、器官の機能、はたらきを考えるためには、他の器官、器官系の働きに関する知識が求められることも多々あります.生理学で最初に学ぶ細胞の基本的な機能や神経系に関する知識、生理学で最初に学ぶであろう血液や血管に関する知識は特に重要です.

生理学は、神経系、感覚器系、筋系を中心にして、神経系と感覚器系のつながり、神経系と筋系(特に骨格筋)の関わりも取り上げます.解剖学で最初に神経系について取り上げられると思いますが、生理学にも応用できるようにしっかりと学んで下さい.

最後に、授業中にはなかなか質問しづらいことも多いと思います.毎回の小テストには必ず余白がありますので、適宜利用して下さい.また、メールでもかまいません.内容によっては返事に時間がかかる場合もありますが、できる限り連絡をするようにします.(ただし、それなりの礼儀と常識にかなったスタイルのメールで送っていください.)