第3回 生体の恒常性と体液 

今日は「生体の恒常性」について、その概念を体液を例にして考えてみました。

授業で説明したように、「恒常性」、「ホメオスタシス」という考え方は生理学の土台です。この概念を理解するために学ぶと言っても過言ではありません。そもそもどのような考え方であるのか、用語の整理とともに、しっかりと確認しましょう。また、生理学ではそれほど多くの人名が出てくるわけではありませんが、ベルナールとキャノンはその業績共々覚えておきましょう。

体液の量や組成がどのように調節されているのかは今後の課題として、正常ではどのように区分され、それぞれがどれくらいの量で、その組成はどうなっているのか、生理学的な知識の一部としても、そして今後の学習にとっても必須事項です。具体的にいくつかの数字や電解質の名称、組成に関して説明しました。プリントp24の2つの図は非常に重要です。細胞内、細胞外のそれぞれで最も多い陽イオンと最も多い陰イオンの合わせて4つはすぐに出てくるようにしましょう。

体液に関わる調節のしくみとして、pHと体液量についても取り上げました。pHの概念は各自で勉強してもらうことにしますが、「緩衝系」という調節機構が存在すること、そして、これが正常に機能するために多くの器官系が働いていることを押さえておいてください。呼吸器系、循環器系、泌尿器系、内分泌系でそれぞれ取り上げられるはずですが、体液のPHのホメオスタシスを維持するためのしくみであるという大きな現象の一部分であるということを理解して勉強を進めましょう。

こうしたホメオスタシスを維持するためのしくみの基本は「負のフィードバック機構」です。概念は分かってもらえたと思いますので、一つ一つの仕組みを理解する場合に、それぞれのしくみの中で何が、あるいはどこが受容器、中枢、効果器として機能しているのかをよく考えるようにしましょう。

授業中に「血漿中のタンパク質は?」と質問しました。習う科目は異なりますが、こうした問にも直ちに反応できるよう日頃から復習をしっかりとしておきましょう。

来週は化学反応と生体におけるエネルギー源であるATP、そして細胞の構造と機能へ入ります。最初は「細胞膜」について考えますので、「生理学のための化学」のうち、
6.脂質の構造と特徴
をよく読んでおくと理解が進むでしょう。

第2回 生体の階層性

今回は生体の階層性について、特に「外皮系」をモデルにして説明しました。最初と言うこともあり、生理学を学ぶ上で必要ないろんな知識を織り交ぜて説明したので、やや混乱したところもあったかもしれません。前回も言いましたが、必ず毎回復習をすること。後でまとめて見直すのは、多くの方には無理でしょう。毎回必ず復習をして、さらに忘れているところ、確認すべきところをさかのぼってチェックしていくようにしてください。

さて、今回は器官系〜物質までの回想の積み重なり方を具体的に考えました。全体をおおざっぱに理解するためにもひとつひとつの知識をしっかりと積み上げていくこと、概念や意味を把握することが重要であるということがわかったと思います。「外皮系」を取り上げた理由は、
生理学の教科書に「外皮系」という項目がなく、まとめて説明する機会がないこと、
器官系の中で最もよく眼にするものであること、
構成する器官が少なく、組織構造も単純で説明しやすい
などです。今後生理学の中で取り上げられるとすると、
感覚器系の一部である表在感覚を含む器官として
体温調節や生体防御の一端を担う器官として
でしょうか。いずれも生理学Ⅱ&Ⅳの範囲です。

「外皮系」をモデルにして、細胞から器官系までをフローチャートのような形でまとめてみると、理解の助けにあると思います。

第1回 イントロ、生体の階層性と恒常性

最初の授業で、いろいろ戸惑いもあったかもしれませんが、いかがでしたか? 冒頭で説明したように、授業はすべてスライドで進めていきます。ただきいているだけで分かったつもりにはなれますが、後で思い返そうとしても何も出てこないということになりかねません。今後順次プリントが配布されますが、各章ごとにおおよそ何回の授業があるのかあらかじめ分かっているのですから、次の授業でどれくらい進みそうか見当をつけてしっかりと予習するようにしましょう。どんな言葉や図が使われるのか、あるいはすでに持っている知識を受け皿として使えるのかどうか、など事前に分かった上で授業に臨むように。

さて、第1回目ということでスローペースで、できるだけたくさんの顔を見ながら進めました。特に抽象的な内容が多かったため、いろいろかみ砕いて説明もしたつもりです。生理学を学んでいく上でのキーワードは2つ、生体の階層性と生体の恒常性です。この2つの切り口で生き物、特に人体=ヒトを考えていきます。それぞれ具体的には来週以降の授業で説明します。逆に言うと、生理学を学んでいくということがこれら2つの概念を理解することでもあります。

階層性については、来週の授業で改めて各階層について説明した後、外皮系を例にして階層の組み立てについて考えてみます。プリントには消化器系も例として取り上げましたが、時間の都合で省きます(同じ内容が解剖学Ⅱ&Ⅳと生理学Ⅱ&Ⅳで説明されます)。また、生体を構成する分子については人体を構成する元素などについて概説しますが、高分子については『生理学のための化学』を各自で取り組んでください。今後、生理学Ⅰ&Ⅲでは必要に応じて各論的に取り上げていきます。

恒常性についてはプリントp22以下、概念について改めて整理した後、具体例として体液について考えます。イオンやpHについて基本的なことを知っている必要があります。

生理学は一見膨大な知識の集積のようにみえます。しかし、全体を貫く筋道のようなものが必ずあります。これが理論であり、ある程度つかめれば、単に知識の集積として詰め込むような勉強をすることなく、全体を理解することができます。もちろん、理論を身につけるためにある程度知識を詰め込む必要はあります。多くの人にとってはかなりの努力を要しますし、基礎となる知識と教養も必要です。

では、1年間よろしくお願いいたします。