第27回 視覚

今年最後の授業でしたが、最後に取り上げた「色の感覚」がやや尻切れトンボで終わってしまいました.後期試験終了後に少し補足するかもしれません.

さて、視覚の受容器である網膜、そして視細胞の構造と機能を概説しましたが、他の感覚器と比較するとやや異なっているために、少しわかりにくいかもしれません.

2種類の視細胞の役割分担をおさえた上で、感光色素(視物質ともいいます)の名称を覚えておいて下さい.これまでにいくつかタンパク質の名称とはたらきを取り上げてきましたが、視細胞、特に杆体細胞ではたらいているロドプシンは非常に有名で、よく研究されています.

ちなみに、「杆体」は本来は「桿体」と書きます.

視覚器における視細胞が、聴覚器における有毛細胞、味覚器における味細胞にあたると考えていいと思いますが、視細胞に光(可視光線)があたると、ロドプシンの構造が変化して、視細胞に過分極が誘発されるところが、他の感覚器の刺激受容細胞と異なっています.混乱しないように注意して下さい.

伝導路は、左右の視神経の交差のしかたが複雑に見えますが、ルールを理解してしまえば、視野と網膜に映る像の関係、左右の大脳皮質一次視覚野に視野のどの範囲が写っていることになるのか、それほど難しくはないと思います.1度自分で図を描きながら、言葉に出して説明してみる、あるいは字にして書いてみるといいでしょう.

色の感覚は勉強し出すと非常におもしろいのですが、錐体細胞の性質はしっかりと頭に入れておいて下さい.また、色盲と色弱については、プリント第8章の最後に簡単な説明を付けましたので、一度目を通しておいて下さい.

第26回 視覚

今日は視覚器の構造と機能のうち、適刺激である可視光が眼球に入射する入り口部分での調節機能を取り上げました.
光の量:虹彩にある2つの筋の収縮と弛緩によって、瞳孔を通過する光量が変化します.これによって適切な強さの光が入射します.
遠近の調節:見たい、見ようとしている物体から入射する光線に対して、網膜上に焦点を結べるように、水晶体の厚みを変化させて屈折の程度を調節します.

この2つの機能に関わって、水晶体の構造、視力、屈折の異常についても簡単に説明しました.目見直しておいて下さい.

さらに、立体視がどのようなしくみで生じるのかについても簡単ですが触れました.ややわかりにくかったかもしれませんが、興味がある方は是非自分でいろいろ調べてみて下さい.

第25回 聴覚と平衡感覚

今週は前半で聴覚の伝導路を取り上げました.空気の振動である音波がどのように細胞の膜電位変化=活動電位に変換され、それが中枢までどのような道筋を伝達されていくのか、図を見ながら自分の言葉で説明できるようにしておくといいでしょう.

後半は平衡感覚器官である前庭=半規管と耳石器を取り上げました.それぞれがどのような動きに反応するかをおさえておけば、あとは聴覚器(コルチ器)のしくみと基本的には同じです.2つの部分の構造の違い、あるいははコルチ器との構造の違いを考えながら理解するとわかりやすいのではないでしょうか.

授業中にも触れましたが、聴覚器のしくみは見事としかいいようがありません.元々は平衡感覚器=前庭が先にできていたのでしょう.ただ、海の中=水中では、音を伝える媒体は水です.つまり、どこかに音源があって、それが水の振動として自分のところにやってくると、それは体全体を振動させる=バランスを崩すもとになってしまいます.こうしたところから、平衡感覚をつかさどっていた部分で、同時に水の振動としての音波を感じる部分ができて、そこが陸上に上がった後に今の爬虫類は哺乳類が持っている蝸牛を中心とした聴覚器に発達していったのではないでしょうか.

来週は冬休みのレポート課題の参考になる書籍を持っていきます.