第30回 小脳と大脳基底核の機能、一次運動野

試験前最後の授業で、試験範囲をほとんど決めてしまっていたので、やや駆け足になってしまいました.

さて、第1のポイントは小脳の機能です.概念的にしか説明できませんでしたが、どのようにしてヒトが、あるいは動物が運動を学習していくのかというしくみを取り上げました.小脳の機能の説明で出てきた「大脳皮質の運動野」とは、最後に取り上げた一次運動野のことであると考えてください.したがって、脳幹や脊髄のα運動ニューロンを通して骨格筋へ伝えられる情報・命令が小脳へも伝えられ、その命令に応じて実行された運動の実際が脊髄小脳路によって固有受容器などから小脳へ伝えられているということです.

大脳基底核は、大きく4つ、細かく分けると7つの神経核からなる集団で、全体として運動の発現や遂行、終止を調節しています.入力部、出力部、間接経路を構成する介在部、そして修飾部の4つの間の神経回路をつくっています.一つ一つの役割を具体的に取り上げることはできませんでしたが、黒質緻密部にあるドーパミン作動性ニューロンの脱落によってパーキンソン病が生じることから、ここが直接経路のはたらきを強め、逆に間接経路のはたらきを減弱させることによって正常が維持されていると考えることもできます.

神経変性疾患はいずれも難病であり、根本的な治療方法はほとんどなく、症状を緩和したり、進行を遅らせたりすることがやっとのようです.授業では省いてしまいましたが、ジストニアのように症状を緩和するための方法すら試行錯誤しなければならないような疾患もあります.

生理学3の試験は一番最初に指定されています.次の週の月曜日が休日になってしまいましたので、答案返却はさらに1週間後です.悪しからず.

では、Good Luck!!

第29回 脳幹による運動調節

今回もやや駆け足でしたが、
脊髄反射のうち、皮膚反射の代表例として足底屈曲反射と伸展性足底反射(バビンスキー反射、またはバビンスキー徴候)を簡単に説明しました.
中心は脳幹の機能、特に眼球や頭部、姿勢の維持に関する反射の中枢としての機能を取り上げました.取り上げた反射について、その反射弓をよく考えるようにして下さい.特に、授業中にも触れたように前庭動眼反射は重要です.
プリントには前庭動眼反射と視運動性反応のメカニズムや前庭頸反射のメカニズムに関する説明図(354357ページ)を載せましたので、1度見ておいて下さい.

来週は小脳の機能を簡単に説明した後、大脳基底核と大脳皮質を取り上げます.

第28回 脊髄反射

今回から3回にわたって運動機能について取り上げます.授業の冒頭で説明したように、感覚刺激に対してどのような反応=運動が生じるかが中心です.また、最後に随意運動の指令する伝導路も取り上げます.

さて、今日は脊髄に中枢がある反射として、大きく2種類を取り上げました.「反射」や「反射弓」は次回の授業でも繰り返し出てきますので、今回の内容でよく慣れるようにして下さい.
また、授業では屈筋や伸筋、主動筋と拮抗筋という用語の説明は簡単に済ませてしまいましたが、あやふやな場合はもう一度よく見直しておいて下さい.

伸長反射と拮抗抑制は筋の伸長を刺激として常に同時に生じる反射です.プリントの図をよく見て(あるいは自分で描いて)、自分の言葉で説明できるまで復習して下さい.反射弓の構成要素ごとに整理しておきましょう.

刺激が何で、その受容器は何か.また受容器はどこにあるのか.
どういう感覚神経がどこからどこへ興奮を伝えるのか.
中枢はどこか.感覚神経か中枢へどこから入っているのか、また、運動神経は中枢をどこから出ていくのか.さらに、介在ニューロンのはたらきは何か.
どういう運動神経がどこからどこへ興奮を伝えるのか.
運動神経が興奮を伝達する筋は何か、運動神経から興奮が伝達された結果、筋がどうなるのか.(あるいは運動神経が抑制された結果、筋がどうなるのか)

この内容が基本中の基本で、これが簡単に説明できるようになれば、次回取り上げる脳幹を中枢とする反射も、非常に考えやすくなると思います.

屈曲反射と交叉性伸展反射は、屈筋と伸筋について注意しながら、プリントの図を参考にして自分で考えてみましょう.