第28回 脊髄反射、脳幹による運動調節

試験前としては最後の授業でした。前半は脊髄反射として、自原抑制と屈曲反射・交叉性伸展反射を取りあげました。

自原抑制は、伸長反射・拮抗抑制と連続する現象ですが、受容器、求心路が異なります。遠心路、効果器は同じですが、生じる反応、効果は全く逆。このあたりをはっきりさせられるように、それぞれの反射弓を比較してみるといいでしょう。

合わせて、筋紡錘や腱器官の構造と機能も考えられるようにしておきましょう。

今日配布したプリントに比較できるような表を載せました。自分で空欄を埋めていって下さい。解答では、「拮抗抑制」の効果器とその反応が「拮抗筋の収縮」となっていますが「拮抗筋の弛緩」の誤りです。

屈曲反射と交叉性伸展反射はそれぞれの役割を理解した上で、後レらも反射弓をよく整理しておきましょう。この2つは受容器と求心路は共通しています。表在感覚全般が刺激となり得るという点では、よい復習の材料です。中枢である脊髄での介在ニューロンがやや複雑です。そして、遠心路と効果器の違いを区別できるよう見直しましょう。

後半は脳幹の機能のうち、脳神経かが関わっている運動反射をいくつか取りあげました。特に、対光反射(瞳孔反射)と前庭動眼反射の2つは、感覚器の最後に学んだ視覚機能、眼球運動が関わった反射です。わかりやすいと思いますが、関連させてよく見直しておいて下さい。

前庭動眼反射では平行感覚器の機能、役割を考える上でも役立つと思います。1度図を見ながら反射弓を説明してみましょう。少なくとも、頭部の運動に対してどのように遠心路と効果器が反応するのか、さっと判断がつくようにしておきましょう。

後期は時間の都合もあり、予定した範囲の途中までしかすすめませんでした。試験問題としてもやや偏った内容になってしまいますが、小テストや過去の問題をよく見直して、重要な現象や概念をしっかりと理解して、基本的な知識を正しく積み上げていけばどんな問に対しても正しい解答を得ることができます。しっかりと勉強して下さい。

第27回 視覚の伝導路、脊髄反射

前半は視覚の伝導路を説明しました。大まかに通過ポイントをつかんだ上で、視交叉で交叉する視神経と交叉しない視神経が網膜上のどこから発しているかをしっかりと理解して下さい。プリントの図を見ながら、自分で説明できるようにしましょう。

視野のどの部分が網膜のどの部分に映っているのかも一緒にして、1度自分で図を描いてみるとすぐに理解できるのではないでしょうか。

後半は運動機能のうち、脊髄反射を取りあげました。脊髄の構造についても復習をしましたが、あやしいと思ったら自分で復習をするように。

伸長反射と拮抗抑制は、臨床的にも重要であると同時に、反射あるいは反射弓を考えていく上での基本的な要素を含んでいます。いずれも自分の言葉で説明できるようにしておきましょう。

第26回 視覚

今週は遠近の調節と明るさの調節という、水晶体と虹彩・瞳孔のはたらき、そして光受容部である網膜、特に視細胞の構造と機能を取りあげました。

遠近の調節は先週の最後で説明した内容と連続しますが、水晶体の厚みを変化させることによって光の屈折度合いを変化させ、ある距離から入射した光をうまく網膜に焦点させることができます。プリントでは「屈折異常」という言葉を使いましたが、近視の多くは眼球の前後径が長くなっており、自らの眼球の長さに合うように屈折できないという意味です。

水晶体には弾性があり、外部から力がかからなければ丸みをおびる性質があります。そして、周囲の毛様体(毛様体筋と毛様体突起)は水晶体の周囲を取り巻いています。毛様体筋が収縮すると、水晶体を取り巻く輪のような構造が縮小して、水晶体を引っ張る力が減少します。この結果、水晶体は自身の弾性で丸くなります。しかし、遠くを見るときには水晶体の周囲にある毛様体筋が弛緩して水晶体は全方向に引き伸ばされるため、扁平になってしまいます。

矯正のためのレンズの形状も簡単に説明をしました。少なくない人が日常的に使っている器具ですから理解しておくように。

明るさ、すなわち眼に入る光量の調節は虹彩をつくっている2種類の筋の収縮と弛緩によっています。それぞれの支配神経の種類と一緒に頭に入れておいて下さい。

小テストのBで、虹彩は遠近の調節時に変化して瞳孔が縮小すると注意書きをしました。上で説明した水晶体の周りの毛様体筋は動眼神経の副交感神経支配で、瞳孔括約筋と同じです。したがって、毛様体筋が収縮する、つまり、支配神経である副交感神経が興奮するわけで、瞳孔括約筋も一緒に収縮してしまうようです。

後半に取りあげた網膜については、構造は解剖学でも学んでいると思いますが、神経層の構造はよく見直しましょう。角膜・水晶体・硝子体と通過してきた光が網膜に当たって、網膜の細胞層をどのように通りぬけて視細胞にあたるのか、図を見ながら確認しておいて下さい。

視細胞の機能が重要ですが、説明がやや概略的でしたので、ややわかりにくいかもしれません。感光物質であるロドプシンの構造変化が細胞の膜電位を変化させ、これが視神経の興奮につながっているところをよく見直しておいて下さい。

ステレオグラムや盲点は1度試しておくといいでしょう。ステレオグラムはやり過ぎると気分が悪くなるので注意して下さい。

第25回 平衡感覚の伝導路、視覚(視覚器の構造と可視光線の性質)

前半は平衡感覚の続きで、伝導路を簡単に説明しました。

嗅覚同様に、ヒトの感覚の中では原始的なしくみが残っているのか、他の感覚のようにすっきりとした伝導路ではありません。感覚系の中枢をほとんど素通りするように直接運動を担う部分とつながっています。このようなところが、感覚としてわかりにくいということになっているのでしょうし、障害などの現れ方がわかりにくいことにつながっているのかもしれません。次に勉強する「運動機能」で取りあげる眼球運動などで、もう一度触れます。

後半は視覚でした。特に視覚器の構造とか可視光線=電磁波の性質、そして水晶体による遠近調節を取りあげました。

視覚器の構造は解剖学で学んだことと合わせて、復習しておくといいと思います。機能を考えながら構造を見直すとよく頭に入るのではないでしょうか?

電磁波=光はだいぶ急いで説明してしまったのでわかりにくかったかもしれません。気になることがあればいつでも質問して下さい。また、追加で配布したプリントはざっと見ておいて下さい。色の認識についてはいったん飛ばして授業を進める予定ですが、後期試験後に時間をつくって説明します。そのときに、改めて可視光線の色について触れようと思います。

遠近調節はやや中途半端な説明しかできませんでした。来週おさらいをします。

第24回 聴覚のしくみと平衡感覚

新年最初の授業で、教室もまだ寒くて大変でしたね。落ち着いて話を聞いたり、考えたりできないところもあったかもしれません。改めてゆっくりと見直しておいて下さい。

さて、前半は聴覚器での刺激の伝わり方を考えました。空気の振動である音波がニューロンの電気的な興奮へ、どのようにして変換されていくのかというしくみです。詳細は繰り返しませんが、聴覚器、外耳、中耳、内耳の構造を確認した上で順番に追いかけてみるといいでしょう。一つ一つ組織、部位を通過するたびにの振動が変換されていき、最後には有毛細胞の感覚毛の屈曲に結びつきます。感覚毛の屈曲が感覚毛の頂点にあるイオンチャネルを開口させ、その結果カリウムイオンが流入し、さらに脱分極・受動電位を引き起こすことにつながっていきます。

複雑なしくみではありますが、非常によくできています。音の大きさや高さの違いもこのしくみを使って感じ分けることができます。

聴覚器の伝導路は簡単にしか説明できませんでした。音源定位について補足しましたが、聴覚の伝導路を特徴を合わせて考えるとわかりやすいと思いますので、理解を深める意味でプリントの説明をよく読んでおいて下さい。

平衡感覚は分かりにくい感覚ですが、視覚と連動してはたらいているという点で、車酔い(動揺病といいます)を例に簡単に説明しました。分かってもらえたでしょうか?

構造的には半規管と耳石器の2つあり、役割は異なっていますが、ともに内リンパが流動することによって有毛細胞の感覚毛が屈曲し、カリウムイオンがイオンチャネルを介して細胞内へ流入することによって脱分極が生じます。

進化的には、前庭器官が先に作られ、内リンパをもつ膜迷路の構造が重複するように後聴覚器がつくられたのでしょう。したがって、刺激を受容するしくみはよく似ています。

後期は試験までの授業数があまりにも少ないため、2回振り替えで授業を入れていただきました。運動機能まで進む予定です。