2018年度第30回 随意運動の伝導路、自律神経系の機能と伝達物質、受容体

 今回の授業内容までが後期試験の試験範囲です。最後の授業ですが、非常に重要な内容を含んでいますので、試験勉強につながるように、しっかりと見直しましょう。

 はじめに、一次運動野と運動単位、あるいは神経支配非の関わりに触れました。それぞれを独立したものとして理解するのではなく、互いの関わり合いをよく考えましょう。そうすることによって、それぞれの意味もより深く理解できるはずです。

 随意運動の伝導路についても同様です。外側皮質脊髄路、前皮質脊髄路、皮質延髄路の三つのルートを覚えるだけに終わらず、それぞれがどこの骨格筋の運動を支配することになるのかを、出発点である一次運動野の支配領野と合わせて考えましょう。そうすると、外側皮質脊髄路と前皮質脊髄路の神経線維の割合も簡単に頭に入るでしょう。

 錐体外路径は詳しく説明できませんでした。臨床の科目では取り上げられると思いますので、そのときに改めて振り返るようにしましょう・

 後半は自律神経系の特徴を簡単におさらいした後、交感神経系と副交感神経系の伝達物質と受容体の機能の違いを説明しました。2種類の伝達物質について、受容体は多種類存在します。特に、標的期間が持つアセチルコリン受容体とアドレナリン受容体は、それぞれの器官の反応性の違いを考える上で非常に重要です。副交感神経系は受容体の多様性がそれほどあるわけではありませんので、説明も簡単に済ませました。一方、アドレナリン受容体は大きく2種類、さらにそれぞれで2種類あります。その分布や機能の違いは、各器官に対する交感神経系の作用を考える上で大切ですので、やや詳しく説明しました。

 プリントに入れた表には、分布をかなり詳しく書き込んでいますが、基本的な考え方はテキストでまとめた部分にあるとおりです。まず頭に入れておきましょう。そして、交感神経系が亢進した状態での、各器官の作用を自分なりに考えられるようにしておきましょう。授業では心臓や消化管、腎臓の機能などに注目しました。肝臓や膵臓、血管なども、それぞれの機能を考える上でわかりやすい反応をしています。

2018年度第29回 小脳、基底核、運動性皮質 

 今日はかなり雑駁な内容になりましたが、脊髄や脳幹のような反射の中枢としてではなく、随意運動に関わった調節機能を取り上げました。

 構造についてもおさえた上で機能を考えていく必要がありますので、それぞれ簡単に整理しました。解剖学ではアトラスなどが指定されていませんので、全体を見渡した上で理解するにはやや不十分ですが、授業の内容をよく思い出しておきましょう。

 小脳の機を簡単にまとめると、随意運動を協調させ、複雑な運動の学習と記憶を司っていることです。そのために、大脳皮質の運動性皮質から下行する情報をモニターすることと、前庭器官や固有感覚受容器からの情報をモニターしています。

 大脳基底核は、四つの神経核が、四つのパートに分かれて神経回路を構成しています。全体として、大脳皮質から興奮性の入力を受け、視床へ抑制性に出力しています。基底核内の神経回路のうち、直接経路と間接経路のバランスがとれていることによって、運動を制御しています。

 大脳皮質の前頭葉の頭頂葉側にある運動性皮質は、それぞれが役割分担をしているようですが、最も重要なのは一次運動野です。特に体部位局在の特徴は必ず頭に入れておきましょう。

2018年度第28回 脳幹の運動調節

 週末に引いた風邪が完治しておらず、時々咳き込んでしまい申し訳ありませんでした。

 さて、今日ははじめに脊髄反射を少し補足しました。いずれも歩行運動に関わって説明することのできる現象です。バビンスキー徴候は臨床でも必ず学ぶはずです。最後に、四足動物の歩法について簡単に触れました。興味があれば、是非自分で調べてみましょう。

 脳幹の構造は解剖学で学んでいるはずですから、簡単にお温習いしたのみです。大脳と脊髄の間を上下する伝導路(上行路はすでに学びました)の通り道です。また、循環器や呼吸器では、それぞれの機能の中枢としても説明されたはずです。今回取り上げた嚥下をはじめ消化に関わるいくつかの機能や排尿機能の中枢としても機能しています。全体として、生命維持や基本的な運動の調節中枢として機能しているといっていいでしょう。

 授業ではすべてを説明することはできませんでしたが、脳幹の位置づけは、脳神経に含まれる感覚神経や運動神経が、求心性神経あるいは遠心性神経として機能する反射の中枢です。脳神経に含まれる感覚神経ですから、多くは特殊感覚です。また、三叉神経支配領域の体性感覚も忘れてはいけません。特殊感覚しては、授業では前庭器官を中心に考えました。脳神経に含まれる運動神経は、いずれも顔面や頭部の筋を支配しています。これらのことを考え合わせると、脳幹が反射中枢となっている反射が、どのようなものであるかある程度分かるでしょう。

 具体的に取り上げた反射の中で特に重要な反射は、前庭動眼反射です。脳幹の重要な機能が眼球運動を司ることであると同時に、眼球運動を反射性に調節しているのは脳幹だけです。ヒトにとって視覚が最も情報量の大きい感覚であることも合わせると、眼球運動がどのように調節されているのかを理解することの大切さも理解できるでしょう。

 外眼筋とその支配神経について、解剖学で学んでいるや否や。プリントp414に簡単にまとめていますので、よく頭に入れておきましょう。

 前庭動眼反射の反射弓は、必ず自分で考えてみること。介在ニューロンの役割もよく理解できるでしょうし、伸張反射と拮抗抑制の関係とよく似て、互いに拮抗する筋の役割もわかりやすくなるでしょう。また、視運動性反応との違いもよく理解しておきましょう。

 前庭頚反射と頚反射も、受容器と効果器の反応についてしっかりと見直しておきましょう。プリントでは「頸」を使っていますが、「頚」でかまいません。

 来週は、小脳の機能、大脳基底核の機能について考えます。どちらもヒトでの機能はまだそれほどよく分かっているわけではありません。一方で、動物実験でもそれほどはっきりとした結果も出ないようです。そこで、ヒトにおける疾患などを取り上げながら、考えてみます。