第11回 興奮の伝達、ニューロンとグリア

今日はやや体調が思わしくなかったため、あまり工夫もせずに説明するだけになりました。神経系の機能の概略の説明など、ややわかりにくかったかもしれません。早めによく復習しておいてください。

今回は「興奮の伝達」と「ニューロンの構造」と「グリアの構造と機能」を中心に説明しました。

興奮の伝達は、興奮の伝導とともに、ニューロンの機能の要です。生理学1&3で今後取り扱う内容のほぼすべての前提となる現象です。来週さらに詳しく説明しますが、シナプスの構造と伝達の基本的な仕組みをしっかりと頭に入れておくようにしてください。

神経系の構成は解剖学での内容と完全にオーバーラップしていると思いますが、これらも今後の学習の基本です。そして、ニューロンの構造は自分で図を描いて説明できるようにしておきましょう。また、グリアの種類、グリア細胞の機能は来週の授業でも取り上げます。血液脳関門については循環器系でも説明されるかもしれませんが、毛細血管の構造とあわせて見直しておきましょう。

第10回 脱分極と活動電位、興奮の伝導

先週の授業で取り上げた静止膜電位は、「細胞内外のイオンの分布」と「細胞膜を介した物質輸送」をもとにして考えました。今週のテーマである脱分極と活動電位も同様に、この二つの内容の理解を前提にしています。基本的な概念も具体的にいろんな問題を考えることによって理解が深まります。第3章で取り上げているないような、細胞膜に関するいろんな知識の応用問題として取り組んでください。

さて、脱分極という現象はニューロンに何らかの刺激が加わることによってイオンチャネルが開口することによって生じます。細胞にとって何が刺激であるのか、あまり具体的に説明できていないためわかりにくいと思います。授業でも触れたプリント98ページ以降の説明で理解できると思いますが、生体内で直接外部からの刺激を受ける細胞=ニューロンは感覚受容器です。また、活動電位を生じる最大の要因である電位依存性ナトリウムチャネルも電位変化という刺激に反応しています。

脱分極は細胞外から細胞内に陽イオンが流入することによって生じ、過分極は細胞内へ陰イオンが流入することによって生じます。この二つの概念を理解しておけば、活動電位という現象はそんなに難しくないと思います。プリントではいくつかの図を使ってやや詳しく説明をつけました。図を見ながら説明をよく読み、じっくりと考えましょう。

活動電位がどのように生じるのかが理解できれば、興奮の伝導はわかりやすいと思います。来週は「興奮の伝達」を取り上げますが、興奮の伝導の後に生じる現象ですから、今週の内容はしっかりと復習しておきましょう。

来週は、第3章5(2)ニューロンと筋細胞での興奮の伝達をスキップして、第4章神経系の基礎に入ります

第9回 小胞による輸送、膜電位

今週は細胞膜を通過する物質輸送のうち、先週取りあげられなかった二次性能動輸送と小胞による輸送(膜動輸送)を考えました。小胞によるエンドサイトーシスとエキソサイトーシスもATPを分解して生じたエネルギーを利用していますので、能動輸送に含めて考えてもいいのですが、輸送の規模が大きく異なるため、別の方法として取りあげました。

食作用については授業でも例を挙げたように、生体防御機構としても非常に重要ですし、生体内での新陳代謝を図る上でも重要な機能です。食細胞といい場合には、一般的にはマクロファージと好中球ですが、破骨細胞やミクログリアなどマクロファージと同様の機能を持つ細胞はいくつか知られており、授業でも取りあげられると思います。

また、エキソサイトーシス(開口放出)は来週または再来週の授業で取りあげる神経伝達物質の放出のためのしくみとしても重要です。

後半では、前期の重要なテーマである興奮性細胞の特徴に入りました。ニューロンと筋細胞という2種類の興奮性細胞がどうして『興奮=膜電位の大きな変化」を生じるのかを理解することは、ニューロンと筋細胞の機能を考えていく上で欠かすことができません。特に、神経系はニューロンが興奮を次々と伝達していくことで機能しています。

膜電位という概念は必ずしもわかりやすいとはいえませんが、膜の内外のイオンの組成やイオンチャネルについて改めて復習をしてよく考えて下さい。また、電流や電圧など、これまでにどこかで学んだ知識も必要です。乾電池の電圧を忘れているようではだいぶ怪しいかもしれませんが、必要であれば昔の教科書を使って、あるいは本屋さんで何かを探して、復習をして下さい。

来週の授業では「膜電位」の理解を基にして、細胞が興奮するという現象について考えてみます。

第8回 受動輸送と能動輸送

今週は細胞膜の機能のうちで、すべての細胞の共通する膜輸送=細胞膜を通過して、細胞内外に物質が移動するしくみを取りあげました。大きく3種類に分類して考えるのが一般的です。前半の内容からある程度理解できたと思いますが、細胞内外はすべて水溶液です。したがって、溶質と溶媒である水が移動し、その物質の性状にふさわしい移動方法が準備されています。

物質は濃度や電荷に勾配、つまり高低あるいは偏りがあると、自然に移動します。受動輸送は、このように勾配という自然に備わった状態がそのままいかされた方法です。拡散と浸透は溶質が移動するのか溶媒が移動するのかの違い。拡散には移動する物質の性質によっていくつかの方法がありますが、浸透は水チャネルを通過する移動だけを頭に入れておけばいいと思います。

浸透という現象については少し時間を割いて説明をしました。やや考えにくいところもありますが、図を見ながらよく復習をして下さい。

能動輸送は2種類あります。今週はそのうちのポンプについてだけ説明をしました。ナトリウム・カリウムポンプは今後の授業の中でも何度か取りあげます。プリントで説明をした機能をよく理解して下さい。

来週は能動輸送のうち、取りあげられなかった二次性能動輸送と小胞による輸送を説明します。プリントではその後で、いくつかの細胞の特徴を列挙していますが、ニューロンだけを取りあげて説明し、第3章:興奮性細胞の特徴に入ります。