2017年度 第4回 細胞膜、細胞核、サイトゾル、細胞骨格


 今回は細胞の機能を考える上で不可欠な細胞膜とサイトゾルを中心に考えました。

 細胞膜の構造を理解することは単に細胞の内外の隔てる境界としてだけではなく、多くの細胞機能を考える上で非常に重要です。今後、細胞膜の果たしている機能を具体的に取り上げますが、構造が分かっていないと機能を理解することはできません。しっかりと復習しておくように。特に、脂質二重膜は、リン脂質分子の構造をよく理解した上で考えるようにしましょう。リン脂質という、両親媒性をもつ物質が膜の中心になっているということがポイントです。

 コレステロールの重要性も忘れてはなりません。ややもすると悪者一辺倒にされがちです。どんな生体物質であっても、必要以上の量が存在したり、代謝全体がアンバランスになれば、悪影響を及ぼします。

 取り上げたように、コレステロールは疎水性の化合物です。したがって、血液中を運搬されるにあたって、血漿に溶解した状態では運搬できません。リポタンパク質という、コレステロールとタンパク質の複合体の状態で運搬されます。他の科目で学ぶはずですが、いわゆる「悪玉コレステロール」とか「善玉コレステロール」と呼ばれているのは、このリポタンパク質のことであり、コレステロール自体をさしているわけではありません。「悪玉コレステロール」と呼ばれているのは低密度リポタンパク質(low density lipoprotein; LDL)で、「善玉コレステロール」と呼ばれているのは高密度リポタンパク質(high density lipoprotein; HDL)です。

 脂質については『生理学のための化学』でも詳しく取り上げました。脂質二重膜の構造についても合わせて触れていますので、各自でよく学習してください。

 細胞膜の機能を担っているのが膜タンパク質です。ここでは、膜にあるタンパク質がどのような配向、位置関係にあるのかだけを説明しました。ここの膜タンパク質の形、名称、機能は順に取り上げます。何度か振り返って見直す必要もあると思いますが、プリントの流動モザイクモデルの図がすぐに頭に思い浮かぶようにしておきましょう。

 細胞の図を見ていると、内部には核を含めて多くの構造物があります。来週の授業でそれぞれの小器官の構造と機能を取り上げますが、液体部分であるサイトゾルも忘れないようにしましょう。サイトゾルでは多くの化学反応が生じ、これらの反応抜きに細胞が生存することはできません。また、個々の細胞の独自の機能を発揮することもできません。例えば、赤血球は核もなければ、小器官もほとんどすべてを失っています。したがって、独特の形態を維持していますので、細胞骨格は存在しますが、サイトゾルを細胞膜が覆っているだけの細胞といってもいいほどです。そして、サイトゾルには莫大な数のヘモグロビンタンパク質があり(赤血球1個あたりおよそ2億8,000万個のヘモグロビンが存在する)、酸素を結合して運搬しています。また、水素イオンや二酸化炭素も含まれています。そして、以前に説明した緩衝作用に関わる重要な化学反応が生じています。

2017年度 第3回 体液のpH、フィードバック、化学反応、細胞とは

 今日は話がかなり雑駁になりましたが、今後の学習の基礎になる内容ばかりですので、よく復習をして頭に入れておくように。

 体液、特に血漿のpHが7.35~7.45に保たれているということは、維持されている内部環境の諸要素の中でも特に重要です。呼吸器系と泌尿器系で具体的に学ぶことになると思います。また、内分泌系では、特に腎臓の機能を調節働きをもつホルモンについて取り上げられますので、しっかりと学習してください。

 授業ではエアコンの例を用いて説明しましたが、負のフィードバック機構はホメオスタシスの諸要素のそれぞれが維持されているしくみを考える上でどうしても理解しておく必要があります。授業では血圧調節を例にして説明しました。生理学Ⅱでも同様の説明があると思いますが、受容器がどこにあるのか、受容器と中枢を結ぶ神経、中枢、中枢と効果器を結ぶ神経系の作用、そして効果器の働きなど、順に追って考えるようにしていきましょう。

 化学反応については、本来であれば『生理学のための化学』に含めるべき内容ですが、残念ながらまとめられていませんので今回の授業で取り上げました。高等学校の化学などで学んだ内容の中にすべて含まれているのですが、これから学ぶであろう内容に即してまとめ直してみました。やや分かりにくいところもあったともいますが、同化反応、異化反応、そして代謝の概念は頻繁に取り上げられます。また、可逆的反応もよく出てきますので頭に入れておきましょう。そして、ATPは『エネルギーが必要』な場面では常に介在する物質です。忘れないようにしましょう。

 来週から第2章『細胞の構造と機能』へ入ります。今日の最後にも触れたように、細胞は生体の構造と機能を考える上での基本単位です。すべてはここから始まると要ってもいいでしょう。最初に細胞膜について考えますが、生体を構成する分子のうち、脂質が特に重要な役割を演じています。『生理学のための化学』の該当部分を自習してから臨みましょう。