第22回 体性感覚の伝導路、体性感覚の中枢

今週は体性感覚の伝導路を中心に、体性感覚の中の構成を取り上げました。

後策路、脊髄視床路、三叉神経視床路の3ルートで基本的に説明できますが、これら伝導路に共通する特徴は
一次〜三次の3つのニューロンがシナプス接続して構成されている。
一次ニューロンはの終末に感覚受容器がある。
二次ニューロンが必ず交叉する。
二次ニューロンが視床で三次ニューロンと接続している。
ということです。さらに、
三次ニューロンは視床から大脳皮質体性感覚野に投射しています。

三叉神経視床路は顔面など狭い範囲の感覚を支配していますから、ほぼ全身は後策路(後策-内側毛帯路)と脊髄視床路でカバーされています。この2つは上記の共通点に加えて、
一次ニューロンの細胞体は後根神経節にある
ことです。

また、相違点もはっきりさせておきましょう。
一次ニューロンと二次ニューロンが接続する場所、つまり二次ニューロンの細胞体がある場所が異なっています。
後策路では延髄、脊髄視床路では脊髄後角、そして三叉神経視床路では橋の主知覚核と延髄の脊髄路核です。また、
後策路では一次ニューロンのつくる神経線維が脊髄を上行しているのに対して、脊髄視床路では二次ニューロンのつくる神経線維が脊髄を上行しています。

プリントに図をつけましたが、必ず自分の手で描いて確認をしましょう。

脊髄小脳路については第10章運動機能で触れる小脳の機能のところでも改めて触れると思います。

脊髄網様体路は先週と今週、そして来週にもう一度「痛覚」について触れますが、これらの内容と合わせて考えられるようにしましょう。

「体性感覚の中枢」という場合、一次体性感覚野=中心後回だけを指すことが多いと思いますが、今回は視床も脳の一部であるという意味で、中枢に含めて考えました。したがって、「伝導路」と内容がダブっていますが、中継所としての機能は他の感覚機能、例えば聴覚や視覚についても同じ役割を果たしています。一次体性感覚野につては来週もう一度触れますが、対部位局在があるということ、そして、一次体性感覚野の割り当てられている領域の大きさ(面積)とその対応する部位の感覚の鋭敏さの関係をよく理解してください。

第21回 痛覚、固有感覚

今回とりあげた表在痛覚は非常に重要です。質的に異なる2種類の痛みの特徴とそれらの痛みを生じる刺激や受容器、受容器からの興奮を伝える神経線維について区別してしっかりと頭に入れておきましょう。

ポリモーダル受容器については来週もう一度補足しますが、多様な刺激に反応できるということとC繊維の自由神経終末に存在するということを合わせて考えると、進化的には最も古くに発生した感覚受容器の1つと考えられます。したがって、侵害刺激に対する受容器としても全身に広く分布し、あらゆる場所の侵害刺激を受容して痛みを感じさせます。このことは、痛覚=痛みを感じるということが生体を防御するために必要な感覚であるということを示していると思います。

このような古くに発生した感覚に比べると、後半で取り上げた固有感覚は比較的新しい感覚といえるでしょう。神経線維は最も伝導速度の大きな有髄線維ですし、その感覚もきわめて繊細です。ある程度からだが大きくなり、いろんな部位が別々に運動させて活動することのできる動物にしか必要のない感覚です。

筋紡錘と腱器官の両方を固有感覚のための受容器として理解してください。特に、それぞれが具体的にどのような刺激に反応するのか、あるいはどのような変化を検知しているのかをはっきりさせて、感覚神経を区別して理解しましょう。

後期のここまでの内容で分かったと思いますが、前期に学んだ内容の上に立って説明しています。今回の神経線維の分類や筋線維の構造など、できるだけ前期のどこを復習すればいいのかを示しながら進めていきますが、理解に自信のない場合は必ず振り返って、よく見直しをしてください。

来週は、表在感覚や固有感覚の受容器に生じた興奮がどのように、あるいはどこを通って中枢へ伝えら得れていくのかを考えます。

第20回 触圧覚と温度覚

今回は表在感覚のうち、触圧覚、温度覚、痒み、くすぐったさについて取り上げました。また、痛覚についてもその定義と表在痛の特徴を説明しました。

まずそれぞれの感覚の特徴、例えば、触圧覚とは皮膚の変形によって触圧点が刺激されて起こる感覚で、皮膚表面に軽く触れたときに生じる感覚が触覚で、、圧覚は圧迫や牽引によって生じる感覚です。触覚は、単にものが触れたことを知覚する感覚と刺激物の形、大きさ、感触や触れた体部位の正確な場所などを知覚できる感覚を分けて考えます。温度覚は温覚と冷覚にわけられ、同じ皮膚温でも温度が上昇していく時は温かく感じます。痛覚は質的に異なる2種類があります。それぞれの感覚について、できるだけ詳しくまとめておきましょう。

感覚機能は広くは神経系のはたらきの中に含めて考えることが多いと思います。したがって、感覚受容器の実体とそれぞれの感覚受容器からの情報(興奮)を伝える神経線維の種類も区別して頭に入れておきましょう。

さらに、触圧覚の受容器についてはルフィニ終末とパチニ小体を例に挙げて説明しました。また、温度受容器についても最近の報告を紹介しました。各感覚受容器はどのような刺激に対して反応しているのか、それぞれの感覚の特徴と合わせて考えられるようになるといいと思います。