第23回 音波、聴覚のしくみ、平衡感覚

今週ははじめに聴覚の適刺激である音波の特徴について、物理学的に簡単に説明しました。必要最小限の説明でしたのでややわかりにくかったかもしれませんので、概念が理解できれば十分です。また、デジベルやヘルツという単位はいろんな場で用いられるので覚えておくといいでしょう。

この空気の振動が外耳、中耳、内耳と順に形を変えて伝えられ、有毛細胞の興奮を引き起こします。非常にみごとなしくみができあがっています。プリントの図を見ながら、じっくりと考え直してみましょう。1人ですべてを説明できる必要はありませんが、重要なところは、鼓膜から耳小骨と伝えられて行く過程で振動が増幅されること、内耳では液体の振動に変わっていること、液体の振動が再びコルチ器全体の機械的な振動に変換されるとともに、有毛細胞の興奮につながっていることです。こうして、空気の振動がニューロンの電気信号に変換されて、動物の感覚として成立するわけです。

伝導路は、体性感覚とはことなり、両側性です。しかし、この両側性であるが故に音源定位も可能になり、感覚の精度が上がっているといえるでしょう。伝導路の中で中継所として視床が機能しているのは他の多くの感覚と同様です。聴覚では視床の内側膝状体は非常に有名ですので覚えておきましょう。

第22回 味覚、嗅覚と聴覚器の構造

先週の授業では味覚と嗅覚における刺激受容のしくみと興奮の伝導路を取り上げました。

味覚の5基本味のそれぞれに対応する受容体(膜タンパク質)があります。細かいしくみはともかく、基本味が味物質と受容体の関係を根拠にして考えられるのだということをしっかりと頭に入れておきましょう。ここが、嗅覚との大きな違いです。

味蕾、味細胞の構造と役割、味細胞に寿命があること、そして、味細胞が刺激を受けた後、中枢までどのように興奮が伝達されていくのかを押さえておきましょう。

嗅覚は味覚など他の感覚よりも原始的な感覚です。それは、伝導路や中枢の構成によく現れています。ここでは、嗅細胞の構造と役割、そして、嗅細胞-嗅神経とこれら以降の伝導路をよく見直しておきましょう。辺縁系については解剖学で学んだと思いますが、生理学では断片的に取り上げることしかできません。新皮質とは異なり、進化的に古く、本能行動や情動反応、あるいは記憶に関わる機能を持っていることが分かっています。

後半では、聴覚器の構造を概観しました。耳介から内耳コルチ器の有毛細胞まで、それぞれに役割があります。適刺激(音波、または空気の振動)をいかにニューロンの興奮に変えていくのか、じつにみごとなしくみです。来週の授業で取り上げますが、構造の理解があってはじめてしくみを理解することができますので、よく見直しておいてください。

第21回 体性感覚の中枢、内蔵感覚、痛覚の特徴

今週は体性感覚の中枢と内臓痛覚を中心に取り上げました。いずれもその特徴をよく理解して、自分の言葉で説明できるようにしましょう。

視床は体性感覚だけでなく、聴覚や視覚の伝導路においても中継所として機能します。神経核は異なりますが、役割や共通しています。

一次体性感覚野の体部位局在再現は、「感覚の敏感な部位ほど広い」と言葉だけをみるのではなく、プリントの図で具体的にどの部位にどれだけの広さが割り当てられているのかを確認してください。一度よく見ておけば自然に記憶に残るでしょう。

内臓痛覚は説明が具体的ではなかったと思いますが、『痛み』の特徴を表在痛と比較して考えておけばいいと思います。また、関連痛(放散痛)は重要な現象ですから、いくつかの部位とそのしくみも分かるようにしておきましょう。

痛覚についていくつか補足をしましたが、内因性オピオイドと痛覚抑制系は3年生で改めて取り上げられるはずです。痛覚過敏はよく体験することですから見直しておいてください。

最後に味覚と嗅覚の特徴を説明しました。基本味に関しては強化の記載とやや異なっています(つまり、国試の出題内容と異なります)ので注意してください。来週は味覚器と嗅覚器の構造と機能、それぞれの感覚の伝導路を取り上げます。時間があれば聴覚に入りますが、プリントの順と異なり、聴覚器の構造を先に説明します。いずれも解剖学で学んでいる内容を土台にしますので、一通り復習しておいてください。