第22回 痛覚の伝導路、内蔵痛覚、味覚

痛覚の伝導路について2種類説明しました.温度覚や触圧覚と共通する脊髄視床路と、痛覚に特徴的と考えられる脊髄網様体路があります.
感覚の伝導路は、それぞれの伝導路がどういう感覚に関わっているのかということと、各感覚ごとにどういう伝導路があるのか、という両面から分類した表などを作っておくと便利でしょう.

内蔵痛覚は内臓感覚の一つとしても考えられるようにしておいてください.内臓感覚には血圧や呼吸などに関わる意識に上らない感覚と、授業で触れませんでしたが空腹な尿意、そして痛覚のように意識に上る感覚があります.
関連痛は内臓痛覚と表在痛と合わせて伝導路の特徴を考えるいい例かもしれません.

発痛物質と鎮痛物質、あるいはこれらがどういうときにどのように分泌されるか、詳しくは触れませんでした.来年以降の授業で習うと思いますが、ペインクリニック(麻酔学)に関する文献にはまとまった説明があると思いますので、興味のある人はぜひ調べてみてください.

痛覚もまだまだわかっていないことがたくさんありますが、特殊感覚もわかっていないことがたくさんあります.
味覚の基本味もいまだ4種類としている教科書もあるくらいです.科学がまだまだ未熟で日進月歩であることがわかっていただけるでしょうか?

特殊感覚はいずれも刺激の受容細胞・受容器とそこから中枢への伝導路を中心に考えていくことになると思います.解剖学的な特徴はすでに習っていると思いますので、できるだけ重複しないようにしていこうと思います.事前にできるだけ予習しておいてください.

ゲノムひろば

以前授業でチラシを配って宣伝しました『ゲノムひろば』をちょっとだけのぞいてきました.

天気が悪かったせいか、思ったほどの人出ではなかったのですが、それでも小さな子どもの手を引いた家族連れから結構な年配の方まで来られていました.
実際に私たちが使っている実験器具・装置なども使ってのデモンストレーションもあって、『実験』を目の当たりにすることもできるようになっていました.

知り合いの先生も展示されていたのですが、結構のりのりで説明されていたので目で挨拶するだけで帰ってきました.

行った方がおられればぜひ感想を聞かせてください.

第21回 体性感覚の伝導路・中枢、痛覚

今週は重要ポイント目白押しです.

先週に引き続いて取り上げた体性感覚の伝導路:後索路、脊髄視床路、脊髄小脳路、そして三叉神経系は生理学的知識というだけでなく、今後の臨床的な勉強を進めていく上でも非常に重要です.

一度自分で絵を描くなどして、一次ニューロン → 二次ニューロン → 三次ニューロンのつながり方をしっかりと押さえてください.

一次ニューロンの細胞体の位置、二次ニューロンの細胞体の位置(=一次ニューロンと二次ニューロンのシナプスの位置)、二次ニューロンが交叉している位置を明確にしておくといいでしょう.もちろん各伝導路がどのような感覚情報を伝えているのかも忘れずに.

解剖学でも同じないようを学んでいると思いますので、内容は完全にオーバーラップします.


中枢としては何といっても 中心後回=一次体性感覚野 の特徴を自分の言葉で説明できるようにしておくことです.過去に試験にも何度も出題していますので、それらも参考にしてください.

痛覚に関する知識は医療従事者としてはどうしても必要な知識だと思います.「痛い!」というのはどんな場合にもついてきますから.
表在痛の速い痛みと遅い痛みの違いを、受容器、神経線維の違いとしてしっかりと説明できるようにしておいてください.

来週は痛覚の伝導路、内臓痛覚、発痛物質と鎮痛物質について取り上げて、特殊感覚(味覚と嗅覚)に入ります.

第20回 深部感覚と伝導路

今日は余談が長かったせいか、思ったほど進めませんでした.

さて、筋紡錘に関する知識は国試でもいろんな設問の中で問われています.よく復習してください.

筋紡錘の構造的な特徴である錐内筋と錐外筋の違い、感覚神経、そして筋紡錘が感覚器官として何を検知しているのか、どういう刺激に対してどんな反応をするのか.よく確認してください.授業でやったように、腱器官と比較しながら見直すのが一番いいと思います.

γニューロンの役割は詳しい本を読んでも今一つはっきりしません.まだあまりよくわかっていないというのが正直なところだと思います.

伝導路は解剖学でも習っているようですが、大切なところなのでしっかりとやりたいと思います.今回は後索路だけで終わってしまいましたが、来週は伝導路を上って中枢まで進みます.

ところで、この後特殊感覚や運動のしくみを勉強していきますが、Web上にもいろんな情報があります.たとえば、犬山にある京都大学の霊長類研究所のある研究室のサイトはわかりやすくつくられているので非常に参考になります.ぜひ一度ごらんください.
ここです(霊長類研究所・行動発現分野、『脳の世界』)

ノーベル賞

名大の中にいるのですが、別の研究所だからか平穏です.「社会的なお祭り」という言葉が妙にぴったりしている気がします.

素粒子の理論は新聞などで報道されている以上にはわかりませんが、私が「反物質」ということはをはじめて知ったのは中学生の時に放映された映画(アニメ?)でした.「宇宙戦艦ヤマト」というアニメがはやっていましたが、これに反物質だけでできた惑星や生命体が出てきました.物質であるわれわれと接触すると大爆発を起こすという想定だったと思います.
当時は作者の創作なのかと思っていましたが、高校生の時に相対性理論などの理論物理を解説している本(多分ブルーバックスの中の何か)を読んで、「本当にあるのか」と思った記憶があります.

さて私が理解できるのはGFPGreen Fluorescence Proteinの方です.最初に見つかったこの緑色に光るタンパク質の遺伝子がわかり、今ではいろいろ改良されています.分かりやすいからか、テレビなどでも具体的なり用例が紹介されていましたので見た人もいると思います.以前に授業で見てもらった軸索輸送のビデオも、GFPをくっつけたタンパク質の動きを蛍光顕微鏡で観察したものです.
現在は緑色だけではなくて、赤や黄色、青色に光るタンパク質、もっと弱い紫外線でもっと強く光るタンパク質などが開発されています.来週の授業では、脳の神経回路を調べるために3種類の蛍光タンパク質をニューロンでランダムに発現させた脳の神経回路を調べようとした研究を紹介しようと思います.


第19回 皮膚感覚、深部感覚

今日のポイントは、皮膚感覚の受容器の機能や神経線維の種類です.150ページの表や#18をよく見直してください.また触圧覚については二点弁別閾もしっかりと理解しておいてください.

触覚は大きく二つに分類しますが、この分類は感覚の伝導路をの分類ともかかわってきます.触圧覚の受容器の詳細までは必要ありませんが、それらの特徴を理解する上で役立つ情報だと思います.

ふりに終末とパチニ小体の機能の違いは大切な内容ですが、ここまで国試で問われることはないでしょう.

温度感覚は、受容器レベルで非常に研究が進んでいます.特に日本の研究者の貢献も大きい分野です.触圧覚と同様に、神経線維の種類をしっかりと頭に入れておいてください.

皮膚感覚には興味を持っている人も多いと思います.手元にある書籍を紹介すると
講談社ブルーバックス・山口創著「皮膚感覚の不思議』(¥880)


筋紡錘は来週詳しく説明致します.

昆虫に詳しい人いますか?

突然ですが、下の写真のような昆虫?多分(-_^;)を知っている人はいませんでしょうか?



実は、昨日授業の後に研究室に戻ってから、改めて外へ出たところ、建物の壁についていました.
今朝はもういませんでした.擬態が得意な昆虫っぽいのですが、正体不明です.

名大は緑がまだたくさん残っているせいか、とても都心とは思えないくらい、時には図鑑でしかお目にかかれない生物がいます.
「ナナフシ」とか「ウシガエル」とか、とんでもなくでっかい「百足」とか.

ご一報くだされば幸いです.