2016年度 第19回 固有感覚と伝導路

 今週は固有感覚を取り上げました。いずれも、筋の状態を通じて姿勢や運動の状態を知る上で欠かせない受容器です。その中でも、筋紡錘と腱器官は特に重要で、運動機能を考えるためにも必須の知識です。

 それぞれがどのような構造をしているのか、必ず図を描いて確認するように。また、感覚神経の種類とその反応のしかたも自分の言葉で説明できるようにしておくこと。

 プリントには核袋線維と核鎖線維、一次終末と二次終末、さらには静的反応と動的反応について説明していますので、余裕があれば考えてみてください。試験でここまで問うことはありませんが、筋紡錘の機能がより分かりやすくなるはずです。

 体性感覚の伝導路は、プリントにまとめたように3つありますが、今週は脊髄の2つの伝導路を説明しました。それぞれの共通点と相違点をはっきりさせると分かりやすいはずです。そのためには、自分で表やフローチャートをつくるといいでしょう。試験前などにも便利です。来週には体性感覚のうちの三叉神経支配領域に関する伝導路を取り上げます。

2016年度 第17,18回 感覚器系総論、表在感覚

 2回分の要点を整理します。

 感覚機能は、各受容器ごとの適合刺激によって受容器が反応する=活動電位が生じ、これが興奮として感覚神経を伝導・伝達されて中枢で伝わった結果、それぞれの感覚を生じることです。多くの感覚機能に共通する特徴があるとともに、感覚機能ごとの特殊性もあります。これらをしっかりと整理することが重要です。いろんなまとめ方がありますが、自分なりにわかりやすいまとめ方を見つけ、少しずつ広げていきましょう。

 適合刺激と受容器の関係は1回確認すれば十分だと思いますが、今日取り上げた痛覚では侵害刺激が適合刺激です。他の刺激とはやや考え方が異なりますので注意してください。触・圧刺激は皮膚に対する機械的刺激です。温度変化も分かりやすいと思いますので、特に説明はしませんでしたが、特殊感覚の適合刺激のいくつかは受容器の性質を考える上で受容ですので、必要に応じて説明します。

 投射の法則と、刺激の強さと感覚の大きさの関係はそれぞれよく見直してください。授業の説明で何度も繰り返しますが、刺激が受容器、感覚神経を興奮させ、この興奮が中枢へ伝わってはじめて感覚が生じます。刺激の強さと感覚の大きさはおおよそ比例しますが、閾値があることには注意が必要です。ウェーバーの法則も国試で出題されたことがありますので、関係式、ウェーバー比の意味を考えられるようにしておくこと。

 感覚単位や受容野の考え方が分かると、感覚点が理解しやすくなるでしょう。また、二点弁別閾も受容野の考え方を頭に入れて見直してください。

 次の授業では、一次ニューロンの神経線維がどこにあり(あるいはどこを通っているか)、この興奮が二次ニューロン、三次ニューロンとどのように伝達されていくのかを考えます。体性感覚の伝導路といいます。ニューロンの構造や興奮の伝達について忘れていることがあれば、必ず復習をしておくように。

 表在感覚は痒みやくすぐったさを加えて細かく説明しましたが、重要度では触圧覚、温度覚、痛覚の3つである。それぞれの受容器の特徴、神経線維、生じる感覚の特徴を整理しておく必要があるでしょう。必ず、自分なりに表にまとめたり、フローチャートをつくったりして覚えやすいやり方をつくっておくことが大切です。過去の小テストや期末試験の問題なども参考にして、ポイントをまとめておきましょう。

ノーベル賞

 一昨日来の報道でご存じのように、東工大の大隅さんが本年度のノーベル医学・生理学賞を受賞されました。数年前まで岡崎にある基礎生物学研究所で研究されていました。直接お会いしたことはありませんが、学会では何度かお見かけしたような気がします。ずいぶん前からノーベル賞候補だと言われており、ご本人はともかく、回りは待ち望んでいたことでしょう。

 今回の対象となる業績は『オートファジー(自食作用)」、授業でも前期にリソソームの機能として取り上げました。期末試験では勘違いをしている解答もかなりありましたが、明日の授業で改めて解説する予定です。簡単にしか説明できませんので、興味のある方は以下のWebサイトなどを参考にしてください。

Wikipedia日本語版からリンクされた「脳科学辞典」の中に解説があります。この『辞典』は、Wikipediaでありながら誰でも自由に執筆できるわけではなく、専門家が依頼に基づいて執筆し、さらに別の専門家が内容をチェックした上で掲載されています。したがって、非常に信頼できる内容です。
http://bsd.neuroinf.jp/wiki/%E3%82%AA%E3%83%BC%E3%83%88%E3%83%95%E3%82%A1%E3%82%B8%E3%83%BC

東工大の大隅研究室のサイトです。ご自身(または同じ研究室のメンバー)による解説です。醍醐味を味わってください。
http://www.ohsumilab.aro.iri.titech.ac.jp/research.html#1

大隅さんの岡崎・基生研時代の部下に当たる方々が独立して構えた研究室のサイトです。
阪大・吉森研究室

http://www.fbs.osaka-u.ac.jp/labs/yoshimori/jp/research/030/

東大・水島研究室
http://www.cellcycle.m.u-tokyo.ac.jp/research/proffessional.html

一番最後の水島研の説明が一番分かりやすいのではないかと思います。