2017年度 第19回 深部感覚、体性感覚の伝導路と中枢

 深部感覚のうち、固有感覚は筋紡錘と腱器官の機能を中心に説明しました。最後に取り上げた「筋長の変化と神経活動」をよく振り返りながら、それぞれの機能を考え直してみましょう。

 それぞれの構造の特徴、特に神経線維の種類はしっかりと頭に入れておくように。また、機能については、それぞれが「何に」反応しているのかを知っておくことが大切です。宿題として問題だけ提示しましたが、等張力性収縮と等尺性収縮の2つの場合で、筋紡錘と腱器官の機能を考えてみると縒り理解が深まると思います。

 体性感覚の伝導路は、固有感覚も含めて脊髄神経支配領域が広いため、脊髄の伝導路を中心に考えることが多いと思います。プリントにも三叉神経を含めて考えるべきところに「脊髄」と記したところが何カ所かあります。気をつけてください。国試では三叉神経による顔面や鼻腔、口腔、歯の支配に関して当問題も出題されていますので、忘れないように。

 後索路、脊髄視床路、三叉神経視床路の3つについて、共通点と相違点をはっきりさせて整理しましょう。図を見ながら、自分で表などをつくってみると分かりやすいと思います。特にポイントになるのはそれぞれの二次ニューロンでしょう。二次ニューロンの細胞体がどこにあり、どこで交叉をしているのか。また、脊髄の伝導路であれば、脊髄を上行しているのはどのニューロンの軸索か、なども重要な点です。

 脊髄小脳路は第9章「運動機能に関する調節」で改めて触れると思います。

 脊髄網様体路は痛覚にのみ関わっていますが、疼痛の定義に照らしてみればその重要性が分かると思います。来週、侵害刺激を受けることに伴って全身にどのような反応が生じるかを、今日配布したプリントを参考に簡単に考えます。

 体性感覚の中枢に関しては、一次体性感覚野の特徴が非常に重要です。来週、改めて説明をしますが、今日の授業の最後に見た図をもう一度よく見直して、その意味するところをおさらいしておきましょう。

 来週は体性感覚の中枢について改めて説明した後、内臓感覚、特に内臓痛覚について考えます。あわせて、痛覚全体に関わる特徴を説明します。その後、第8章「特殊感覚」に入ります。特殊感覚では、それぞれの感覚器官の構造にも触れますが、解剖学で学んだ内容ばかりですので、あまり詳しく説明しません。各自で予習をかねてよく復習しておくように。

2017年度 第18回 表在感覚、深部感覚

 今回はややキリが悪いですが、表在感覚のうち主として温度覚と痛覚、そして深部感覚のうち固有感覚の受容器である筋紡錘の機能と取り上げました。

 ここで言う温度覚は、熱痛や冷痛と区別します。そして、さらに温覚と冷覚に分けて考えます。それぞれの感覚の持つ特徴と、受容器の構造と神経線維をしっかりと頭に入れておきましょう。

 痛覚は表在感覚以外にも存在しますが、基本的な性質は表在痛として理解しておくのがいいと思います。あるいは、表在痛と多の部位の痛みを比較して考えられるようになるといいと思います。

 そもそも、医者にかかる理由の過半が「痛い」ということです。したがって、疼痛とはどういうものか、定義の説明に時間をかけましたが、各自でよく考えるようにしましょう。その上で、表在痛の特徴、受容器の構造と性質、神経線維についてよく整理しておきましょう。試験で問われることは言うまでもなく、臨床でも重要な知識です。

 深部感覚、特に固有感覚は概念的にはややわかりにくいですが、今回取り上げた筋紡錘と次回取り上げる腱器官、筋の状態を検知することによっての四肢や体幹の位置と動き方を知るための情報を提供してくれます。これらは運動機能を考える上でも重要な感覚器官です。

 次回は深部感覚を説明して、その後、体性感覚の伝導路について取り上げます。

2017年度 第17回 感覚総論、触圧覚

 遅くなりましたが、先週の重合の要点をまとめておきます。

 感覚単位は教科書では触れられていませんが、二点弁別閾や周辺抑制のしくみを考える上でわかりやすくなると考えて説明しました。実際に、感覚神経の末端には複数個の受容器が存在し、ある範囲に加えられた刺激に対して反応します。周辺抑制も教科書の説明では分かりにくいと思いますので、プリントの図を見ながら考えるとよいでしょう。

 さて、体性感覚は感覚としては非常にわかりやすく、また、皆さんにとってとりわけ関わりのある表在部に感覚受容器を持つ感覚を含んでいるため、やや詳しく説明をしています。表在感覚、特に触圧覚の受容器は多くの種類が知られており、それぞれの共通するところと相違するところがあります。自分なりに整理してしっかりと区別できるようにしておきましょう。相違点として重要なことは、それぞれの受容器の形態的な特徴とその機能です。いずれも機械的な刺激に反応しますが、皮膚に対して全く同じ強さと時間で刺激が加えられても、受容器によって反応するタイミングに差があります。このことが、皮膚の変位の大きさの違いに反応するのか、変位の速度の違いに反応するのか、あるいは変位の加速度の違いに反応するのか、という違いに現れてきます。

 明日は温度覚、痛覚、そして深部感覚を取り上げます。

2017年度 第16回 筋の種類、感覚機能総論

 遅くなってしまいましたが、後期最初の授業の内容を簡単にまとめておきます。

 前期にやり残した内容を簡単にまとめましたが、クラーレをはじめとするアセチルコリン受容体の作用を遮断する作用を持つ薬物の作用は臨床的に利用されているだけでなく、研究目的にも多用されています。ボツリヌス毒素は言うまでもなく食中毒の原因ともなり、重篤な症状を引き起こします。

 運動単位と神経支配比の考え方は筋の収縮の特徴を考える上で重要な性質です。今回は割愛しましたが、筋に強い負荷がかかって収縮するとき、最初からすべての運動単位(つまりすべての筋線維)が一斉に収縮するわけではなく、収縮する運動単位が徐々に増えていきます。このような現象を考える上で、運動単位とそれを構成する筋線維がどのように分布しているのかを知っておく筆余があります。また、筋線維の種類と運動単位の神経支配ヒトの間にも法則的な関係がありますので、よく見直しておきましょう。

 後半から感覚機能に入りました。適合刺激と感覚の投射の概念は、感覚機能を考える上で受容器の特性と中枢のはたらきが重要であることを示しています。また、ウェーバーの法則も単純ではありますが、感覚機能が神経系の作用であることを実感させてくれます。

 来週は体性感覚のうちの表在感覚に入ります。プリントを忘れないように。