第18回 感覚総論

暑さ寒さも彼岸までとはよくいったものです.一気に涼しくなり、朝晩は寒いくらいです.明日から10月、後期が始まりますが、体調管理には十分に気をつけてください.

今日のポイントは、
適合刺激、感覚の投射、ウェーバーの法則、感覚の順応、感覚刺激の伝達、そして感覚点です.
はっきりしすぎていて説明の必要もないくらいですが、いずれも重要な性質ですからしっかりと理解しておいてください.また、感覚機能を勉強する際には折りに触れて見返すようにしてください.

第17回 軸索輸送と神経回路

ちょっと遅くなってしまいましたが、試験結果はいかがでしたか?

全体としては平均70点で、ほぼ期待通りでした.だいたい思っていた通りにできた人、悔しい思いをした人などさまざまかと思いますが、できなかったところは各自よく見直してください.後期は前期の内容を前提にして進めていきます.

また、再試験を受験することになる人は、授業中にも説明したように、前期末試験の内容を小テストを見ながらしっかりを復習してください.

さて、授業は軸索輸送と神経回路でした.
軸索輸送は東大の廣川先生の文献にも因りながら概説しました.やや舌足らずだったかもしれませんが、興味ある人は廣川研究室のHP(
ここ:http://cb.m.u-tokyo.ac.jp/、かここ:http://www.iam.u-tokyo.ac.jp/coe/hirokawa/index.html)を参考にしてください.

神経回路はちょっとややこしかったかもしれません.あまり複雑な回路は混乱してしまうので今後取り上げることはありませんが、2シナプス結合(あるいは3,4個のシナプスを持つ回路)は運動のしくみのところで取り上げます.時間があれば「反回性回路」を紹介したいと思います.また、収束と発散は今後も何度か出てきます.過去に試験に出題したこともあります.しっかりと覚えておいてください.

GABA受容体と記憶

残念ながら授業で触れることができませんでしたが、先月末に、神経伝達物質の一つであるGABA(γーアミノ酪酸)の機能に関して縦横な報告が日本の研究グループから出ました.

理化学研究所の研究グループの報告ですが、老化によって生じる記憶障害がGABAを伝達物質としている抑制性シナプス伝達が亢進することによって生じているのではないかという内容です.

実験は記憶障害を生じる疾患として有名なアルツハイマー病を若年性に発症するマウスを使っています.このマウスはアルツハイマー病発症の原因であるβアミロイドというタンパクを過剰に発現するように遺伝子操作されています.このマウスと正常な老齢マウスを正常な若いマウスを比較した結果、アルツハイマー病マウスと老齢マウスではGABA受容体を介した神経活動の抑制が異常に亢進していたということです(つまり過剰に抑制される).逆にこのアルツハイマー病マウスにGABA受容体の阻害剤を投与すると記憶力の低下が改善されていました.

試験が一段落ついたら、
理化学研究所HPのプレスリリース(ここ)を見てください.
原著の論文は
ここ(ProS One 8月21日付け)です.完全フリーアクセスですので興味のある方はぜひ開いてみてください.

第16回 神経伝達物質と受容体、神経筋接合部

今日は神経伝達物質とその受容体、そして神経筋接合部についてでした.内容を理解するのはそれほど難しくなかったと思いますが、少し暗記しないといけない言葉があります.

神経伝達物質のうち、是非とも覚えてもらわないといけないのは
アセチルコリン、アドレナリン、ノルアドレナリン、ドーパミン、グルタミン酸、アスパラギン酸、グリシン、GABA、そしていくつかの神経ペプチドです.
興奮性あるいは抑制性と、その働きがはっきりとしている物質については自分なりに分類表を作っておくといいでしょう.

受容体については、時間の都合もあり、イオンチャネル型受容体の構造と機能の特徴だけになってしまいました.神経筋接合部を含めて、シナプスでの伝達物質/受容体の働きを考える上では分かりやすくていいと思います.プリント#56などを見ながら自分の言葉で説明できるようにしておきましょう.

神経筋接合部の構造は電顕写真や図を見ながらよく確認してください.プリント85ページの図は、運動ニューロンからの興奮の伝達に始まる一連の現象をうまくまとめています.プリント92ページの#27や小テストの第12回目(7月22日)にも興奮収縮連関をまとめています.自分なりに絵を描きながら確認してみるといいでしょう.
授業で使ったアニメーションはYouTubeの
ここにあります.英語のナレーションはともなく、ぜひ一度自分で見ておいてください.

また、授業の冒頭でお見せしたニューロンーニューロンのシナプス伝達に関するアニメーションを改めて探したのですが、見つかりませんでした.悪しからず(T_T)
かわりに、
このアニメーションがわかりやすいのではないでしょうか.これもナレーションは英語ですが、絵を見ていれば十分理解できると思います.

では皆さん、健闘を祈ります.(^^)

第15回 シナプス伝達の特徴と興奮性シナプスと抑制性シナプス、シナプス後電位の加重 

夏休みはいかがでしか?

今年は職場である実験動物施設のトラブルや依頼原稿に終われて授業を補足するようなブログを書くことができませんでした.後期にはいろんな補足情報を掲載できるようにしたいと思います.

さて、今回はシナプス伝達についての基本的なしくみを説明しました.シナプス小胞と伝達物質/受容体に注目して考えればそれほど難しくないと思います.興奮の『伝導』と『伝達』の違いを比較しながら見直しておくといいでしょう.

シナプスには興奮性と抑制性の2種類があります.分かりやすいのは興奮性シナプスとシナプス後抑制の抑制性シナプスだと思いますが、シナプス後電位の違いについてはよく復習してください.また、実際にニューロンに活動電位が生じるかどうかは、シナプス後電位の加重の理屈をよく考えてください.
昨年の前期試験の問3を自分でやってみるといいでしょう.

訂正:プリント#11
 「Cl-(陰イオン)の放出を促す」は「Cl-(陰イオン)の流入を促す」に訂正します.抑制性シナプスはシナプス後ニューロンに過分極を引き起こすので、シナプス間隙からシナプス後ニューロンに陰イオンが流入します.

皆さんのレポートはまだ見ていませんが、分厚い冊子が多いので期待しております.