第16回 前期試験答え合わせ、神経回路、感覚機能総論

期末試験の結果はいかがでしたか? 学校や受験から離れていた方々には結構大変だったかもしれませんが、はじめにしっかりと積み重ねていれば後で楽になります.解剖学と生理学は、このはじめの積み重ねに当たりますので、めげずにしっかりと取り組んでください.

さて、2限目はとんだハプニングで予定していたとおりに進めることができませんでしたので、来週の小テストは簡単にすんでしまうかもしれません.

前期分の最後として、神経回路について取り上げました.2シナプス結合のつながり方は、興奮性ニューロンと抑制性ニューロンの意味がわかっていれば、それほど難しい問題ではなかったと思います.あるいは、シナプス結合のつながり方を考えることで、それぞれのニューロンの性質を理解してください.収束回路と発散回路とあわせて、後期の感覚系や運動系、あるいは自律神経系の情報伝達を理解する上で必要な知識です.

後期は、はじめに「感覚機能」について一部の感覚を除いてかなりしっかりと取り上げます.解剖学的な部分とあわせて説明していきますので、毎回よく復習するようにしてください.
今日は一般的な特徴をざっと眺める程度でしたが、各感覚について具体的に取り上げることも出てきますので、考え方をよく身につけていください.特に、感覚の投射、刺激を受けた受容器ではなくて、中枢で感覚が生じているんだということは非常に大切なポイントです.すべての感覚機能について受容器とその中枢をあわせて説明していきます.

ウェーバーの法則と弁別閾という考え方は非常に重要です.A組の授業では取り上げられなかったのですが、B,C組は小テストの範囲に入りますのでしっかりと見直しておいてください.

第15回 軸索輸送、神経筋接合部

試験前最後の授業でしたので、やや早めに切り上げてしまいました.

ニューロンに限らず、細胞の中で物質や細胞小器官(オルガネラ)の移動、あるいは輸送は、細胞生物学的に重要な現象です.授業でも触れたGFPのような物質が自由に使えるようになった結果、研究が飛躍的に進みました.
特にニューロンは形態が特異であるため、他の細胞にはない特別なしくみがあり、長く研究対象とされてきました.国試で詳細な知識を問われることはないでしょうが、軸索輸送はニューロンの機能を考える上で重要な知識です.

帯状疱疹の説明のところで、感覚神経の軸索はどんなものかという質問がありました.
ここ(http://www.ncbi.nlm.nih.gov/books/bv.fcgi?highlight=neuron,multipolar&rid=mcb.figgrp.6110)をみてください.この図のCが感覚神経(Sensory neuron)です.
図の下にある解説を簡単に訳してみると
(C)感覚神経の軸索は細胞体から出て枝分かれをしている.末梢へ向かう分枝(peripheral branch)は感覚受容器の方向へ伸び、感覚受容器からの神経インパルスを後根神経節にある細胞体へ向かって運ぶ.中枢方向へ向かう分枝(central branch)は脊髄や脳へ向かって延び、細胞体からのインパルスを脊髄や脳へ運ぶ.両者は末端の向かっている方向が異なるだけで、いずれも(樹状突起ではなく)軸索としての構造的、機能的特徴を備えている.

試験後の授業で時間があったら再度簡単に触れたいと思います.

神経筋接合部の構造と機能は後期に学ぶ内容にも直接関わってきます.筋細胞の興奮収縮連関・滑走説と連続させて自分の言葉で説明できるように、よく復習しておいてください.ニューロンの構造、シナプス伝達、筋の構造と機能を網羅的に見直すことができるでしょう.

第14回 シナプスの特徴、神経伝達物質と受容体

夏休み明け1回目ですが、すでに1週間授業があり、実技の試験も始まっているようですので、夏休み惚けもなくなじんでいただけたものと思います.

むしろ私の方がややぼけていて、休み前の小テストを忘れてしまい申し訳ありませんでした.来週の授業で、まとめて返却して答え合わせします.

さて、今日はシナプス伝達の特徴を4つまとめて紹介しました.プリントの153ページの図を見てシナプスの構造と伝達のしくみを確認しながらよく考えてみてください.
シナプス伝達は常にシナプス後細胞を興奮させる=活動電位が生じるだけではなく、シナプス後細胞の興奮性を抑制するような伝達もあります.これは来週取り上げる神経回路のしくみを考えてみるとわかりやすくなると思いますが、「何もない」、「働きを抑える」ことも情報のうちだということです.一部時間が足りずに飛ばしてしまったところもありますが、興奮性シナプスと抑制性シナプスの特徴をよく見直しておいてください.

実際のニューロンでは、1個のニューロンに対して多数の興奮性シナプスと抑制性シナプスがつくられています.従って、それぞれが加重された結果、ニューロン全体でどのような大きさの電位変化が生じるかによって、反応の仕方が決まります.157ページの#17をみながら、自分の言葉で説明できるようにしておいてください.

神経伝達物質は今後もいろんなところで名前が出てきますので、今のうちに有名な伝達物質の名前をしっかりと覚えておいてください.興奮性に働くか抑制性に働くか、はっきりと決まっている物質もありますが、かなりのものが受容体の性質によってどちらにもはたらきます.そして、受容体についてはイオンチャネル型だけを取り上げました.興奮性では陽イオン、抑制性では陰イオンがシナプス後細胞に流入します.代謝調節型受容体も最後はイオンチャネルを通してシナプス間隙からのイオンを流入させるので、結果は同じです.

来週が試験前最後です.軸索輸送、神経筋接合部、そして神経回路の特徴を取り上げます.