第16回 軸索輸送、神経線維の変性と再生、感覚総論

期末試験はいかがでしたか? 

夏休みのレポートで記憶に関する文献を読んだ方も多かったですね(^_^).共通した感想は、丸暗記ではなく、筋道を立てて理解していくことが最もいい記憶法だということだったような気がします.テクニカルタームなどは「覚える」しかないのは確かですが、タームだけを取り出して覚えるではなく、しっかりとした文脈の中において、その文脈を理解しながら「覚える」ようにしていかないと、なかなか記憶できません.

また、いろんなことと関連させながら考えるようにしていくと、かなり細かいことまで頭に残ってくれます.

もう一つ重要なことは、「黙々」とやるのではなく、ときに大声で読み上げてみたり、あるいは他の人に説明するように言葉に出してみる(あるいは実際に説明してみる)ことです.ここでちょっとでも詰まったり、しどろもどろになってしまったりするようでは、十分に理解できていないということです.

「自分は今までこうやってきた」ということに固執せずに、是非いろんな方の勉強方法を聞いてみて、取り入れていってください.

さて、今日は試験の答え合わせに時間をかけましたので、授業は予定していたとおりには進みませんでした.
前期分のの頃の軸索輸送と神経線維の変性と再生は、来週の小テストには少し出題しますので、復習をしておいてください.特に、軸索輸送は他の科目では取り上げられないと思います.プリント159160ページにやや詳しい解説も付けましたので、是非目を通しておいてください.
ただし、ここは後期末試験の範囲からは外します.

後期分は第6章からです.今日は適刺激と感覚の投射、そして刺激の強さと感覚の大きさに関する概略を説明しただけでした.適刺激の具体的な内容はそれぞれの受容器の機能の説明のときに触れますが、感覚の投射の意味はしっかりと頭に入れておいてください.

第15回 神経筋接合部、運動単位、神経回路

前期試験前最後の授業でしたので、ややアップテンポで進めてしまいました.

ポイントは、まず「神経筋接合部」.構造の特徴をよくつかんでください.その上で、伝達物質と受容体のはたらきという観点で、神経筋伝達の異常を考えてみると理解しやすいと思います.

また、神経筋伝達から筋線維の収縮と弛緩のしくみをつなげて考えられるようにしておいてください.キーワードはカルシウムイオンです.イオンチャネルやイオンポンプの性質も合わせて見直しておくといいでしょう.


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番目は「運動単位と神経支配比」.運動神経による骨格筋の支配をやや大きく考えてることになりますが、筋線維の種類あるいはエネルギー消費に関する知識とあわせて整理し直してください.

最後は「神経回路」です.前回やった興奮性ニューロン、興奮性シナプス、抑制性ニューロン、抑制性シナプスの性質、はたらきを理解していれば、後は単純な論理学です.後期には感覚機能や運動機能に関わる神経回路を具体的に取り上げていきますので、その準備でもありますが、2シナプス結合の反応などは自分の言葉で説明できるようにしておいてください.

A組の授業では今日の小テストの解答をっくばりわすれてしまいました.印刷して配布してもらうようにしてありますので、受け取ってください.

では、健闘を祈ります.

第14回 シナプスの性質、伝達物質と受容体

夏休み明け最初、実技試験が始まってやや準備不足だったのか、小テストではいつもよくできているのに今回だけは間違いが多かったという人が目立ちました.まだまだ暑いですが、体調に気をつけながらも早めに切り替えてテストモードにもっていきましょう.

さて今日は、シナプス伝達には奮性シナプスと抑制性シナプスの2種類があり、それぞれがどんな性質を持っているのかを考えました.伝達物質や受容体、シナプス後電位の加重も、この2種類のシナプスの性質を土台にして理解するようにしてください.


授業中の説明でも再三触れたように、細胞(あるいは細胞膜)の電位が変化するということは、細胞外から細胞内へ陽イオンや陰イオンが流入しているということです.

したがって、興奮性シナプス、すなわち脱分極=EPSPが生じるということは、シナプス間隙からシナプス後細胞へ陽イオンが流入しているわけです.そして、その理由は、興奮性の神経伝達物質がシナプス後膜の受容体と結合することによって、陽イオンチャネルが開口しているから、と考えることができます.

抑制性シナプスはこの逆で、シナプス前末端から放出された抑制性神経伝達物質の作用によって、シナプス後膜の陰イオンチャネルが開口して塩化物イオンなどの陰イオンが流入した結果、シナプス後細胞内の膜直下に陰イオンがたまり、過分極を生じる.したがって、この細胞あるいはこのような部位に脱分極を引き起こすためには、いったん静止膜電位まで電位を上げて、さらに陽性方向に変化させる必要があります.すわなち、興奮させるためにはより大きな変化が必要なわけで、こうした状態を興奮性が低下していると考えます.

シナプス後電位の加重は、プリントの図を見ながら自分で説明できるようにしてください.たくさんのシナプスで生じる電位変化を、細胞レベルで総和した結果が現れます.上で説明したような、興奮性シナプスと抑制性シナプスの性質が理解できていれば、難しくないと思います.

今週は最後に神経筋接合部について触れました.来週はその構造と機能、そして筋収縮へどのようにつながっていくのかをあわせて復習します.また、神経からの入力によって筋がどのように反応するのかについても簡単に考えたいと思います.