第15回 神経筋接合部と運動単位

試験前最後の授業でした.最後に取り上げた単収縮までが試験範囲です.

授業の最初は神経伝達物質受容体でした.全ての受容体は特定の伝達物質とだけ結合する「特異的な」関係を持っています.鍵と鍵穴の関係とよく似ていますが、抗原と抗体や多くのリガンドと受容体のように、生体を構成する分子同士にはこの「特異的な」関係を持っているものが多くあります.大きく2種類に分類される受容体のうち、イオンチャネル型のみを取り上げて説明しました.別の分類をするとゲート型イオンチャネルの中のリガンド依存性チャネルにあたります(プリント122頁参照).代謝調節型受容体は後期、「感覚機能」の中で取り上げます.

後半は、神経筋接合部の構造とそこでの興奮伝達のしくみ、そして運動ニューロンがどのように骨格筋を支配しているのかについて考えました.
授業ではニューロンとニューロンがつくっているシナプスにして先に取り上げましたが、歴史的には神経筋接合部の方が早くから詳しく調べられています.解剖学的にアプローチしやすいということが大きな理由だと思います.
ニューロンとニューロンのシナプスとの相違点をよく考えながら復習してください.また、神経筋接合部での興奮伝達の後、骨格筋では興奮収縮連関がはたらきます.プリント195196頁の図を見ながら、自分の言葉でしっかりと説明できるようにしておきましょう.

骨格筋の収縮は運動単位ごとに生じます.実験的には特定の運動単位だけを収縮させることができ、こうして生じるのが単収縮です.
ヒトの筋は型、ⅡA型、ⅡB型の三つの筋線維が混合されています.一つの運動単位を構成する筋線維は1種類で、この3種に応じて分類できます.筋線維の分類とあわせて、特徴をよくつかんでおいてください.また、神経支配比についても、その考え方を理解してください.

小テストの採点を終えましたが、気がついたことを挙げてみます.
最初の興奮の伝達の定義は、ニューロンとニューロンの間での伝達だけを定義しようとしているのではなく、あらゆる伝達、つまり心筋細胞どうしての電気シナプスを介した伝達なども含めての広い意味で考えてください.また、興奮性シナプスでシナプス後細胞に流入してEPSPを生じる陽イオンはナトリウムイオン以外にも、カリウムイオンやカルシウムイオンがあり得ますのでこれらも可としました.プリント186頁のイオンチャネル型受容体の一覧表を参考にしてください.
先週の小テストで「随」と「髄」の違いを指摘しましたが、今週のテストでは「抑」の間違いが目立ちました.つくりは「卯」ではなく「卬」です.

第14回 化学シナプス

夏休みはいかがでしたか? 実技試験も始まっているのですでにぴりぴりした雰囲気になっているかもしれませんね(^_^;

生理学1は今週と来週の2回でやったところまでが前期試験の範囲です.たぶん第5章の最後の方が残ってしまい、試験範囲から外すことになると思います.

さて、今週の授業では化学シナプスの構造とそこでの伝達のしくみを考えました.たくさんの図を使って説明しましたので、それぞれをよく見て自分の言葉で説明できるようにしておきましょう.

シナプスの構造は、繰り返し説明したので十分理解してもらえたと思いますが、1度自分で図を描いて場所や構造の名称を書き入れてみるとよい確認になると思います.シナプス伝達のしくみはプリント174頁の図を参考にしてよく見直しておいてください.この図をよく見ると、神経伝達物質は軸索(図の上の方)から供給されているように描かれていますが.授業で説明したように、アセチルコリンのような小分子の神経伝達物質はシナプス前末端で合成されていると考えて差し支えありません.

興奮性シナプス、興奮性ニューロン、抑制性シナプス(シナプス後抑制)、抑制性ニューロンという言葉とその意味はしっかりと理解しておいてください.後期には感覚機能や運動機能について学習しますが、興奮性ニューロンや抑制性ニューロンが連続してつながったような場合に、興奮がどのように伝達されていくかを考えていきます.今週の授業内容の理解が必須です.
同時に、シナプス後電位の加重による効果についてもよく見直しておいてください.

PS
今日(火曜日)、台風が通り過ぎ、涼しい風が吹いています.名古屋付近は大きな被害もなく一安心ですが、大学の中で突然ミンミンゼミが鳴き始めました.今年はツクツクボウシの鳴き始めが遅く、未だに数も少ないようで「どうしたのかな?」と思っていたところですが、これまで名古屋ではきいたことのない蝉の声にびっくり(・o・).どなたか理由がわかる方はいらっしゃいますが?