第16回 筋節の構造と筋収縮のしくみ、筋のエネルギー供給

更新が遅くなり申し訳ありません。少しトラブルがありまして・・・。

筋収縮のしくみは筋原線維の構造をしっかりと理解して考えるようにしてください。筋節の構造は完全に自分で描けるようにして、その上で太いフィラメントと細いフィラメントがどのように運動するのかを説明でいるようにしましょう。ATPの分解も重要な要素です。

プリントp176とp177に入れた2つの図は神経筋接合部での興奮伝達と興奮収縮連関、そして筋収縮サイクルをひとまとめに考えられるようにうまくつくられています。よく見て自分の言葉で説明できるように努力しましょう。どこかで引っかかったり、つまずいたりせずに説明できれば、文字にしてみたり、他人に説明してみたり、いろんな工夫をして身につけてください。いずれにせよ、図や文字を眺めているだけでは理解は進みませんし、記憶にも残りません。

等張力性収縮と等尺性収縮は、実際の身体運動を考える上では重要な概念です。また、リハビリなどを考える上でも有効だと思います。興味のある人は時間を作っていろいろ調べてみるといいでしょう。

最後に取り上げた筋のエネルギー供給のしくみについては後期に少し細くします。今回はローマン反応についてよく見直しておいてください。

練習問題の訂正

先週配布してもらった《生理学の要点と確認》第5章「筋の構造と機能」に一部誤りがありましたので訂正します。

(34)筋形質膜に活動電位が発生し、筋線維が収縮するまでを興奮収縮連関といい、以下のような連続した過程である。
(a) 運動ニューロンの軸索終末から放出された伝達物質が運動終板にある受容体と結合すると筋形質膜に筋活動電位が生じる。
(b) 筋活動電位がT細管に沿って伝導し、筋小胞体にある( a )イオン放出チャネルを開口すると、筋形質内に( a )イオンが放出され広がっていく。
(c) ( a )イオンが筋原繊維の細いフィラメント上にあるトロポニンと結合すると、フィラメントの構造が変化してアクチンタンパク質上にある( b )タンパク質との結合部位を露出させる。
(d) 筋の収縮がおこる。この際、( b )頭部が( c )の分解によって生じたエネルギーを使って細いフィラメントを引き寄せる。
(e) 筋小胞体の( a )イオン放出チャネルが閉じると同時に、筋小胞体の( d )のはたらきによって( a )イオンが筋小胞体内へ取り込まれ、筋形質内の( a )イオンの濃度が弛緩時の濃度もどる。
(f) アクチンタンパク質と( b )タンパク質がかい離し、筋が弛緩する.

解答は 
a:カルシウム(イオン)、b:ミオシン、c:ATP、d:カルシウムポンプ
です。

また、(53)の解答は
a:S(型)、b:FF(型)
です。
大変失礼いたしました。

第15回 交感神経と副交感神経、筋の構造

自律神経系の遠心性神経は自律機能を考える上で非常に重要です。循環器系や呼吸器系、消化器系の神経性調節として学んだと思いますが、交感神経系と副交感神経系の作用によってそれぞれの器官、器官系の機能が調節されています。血圧の調節が最も典型的ですが、消化器系のはたらきもわかりやすい例でしょう。多くの内蔵器官は交感神経と副交感神経によって二重支配されていて、互いに拮抗するように作用します。しかし、これら2つの神経は常時自発的に活動しているため、いずれかより活発に活動している方の神経のの影響によって器官への作用が決まります。交感神経が優位なときには全身の身体活動やエネルギー消費、あるいはATPの産生がより盛んにすると同時にエネルギー貯蔵に関わる器官の活動が抑制されます。逆に、副交感神経が優になときにはエネルギー消費に関わる器官の活動が抑制され、エネルギー貯蔵にを盛んにする器官の活動が活発になります。こうした特徴を、できれば具体的な器官の働きを確認しながら理解しましょう。

伝達物質の違いは覚えるしかありません。といっても、それぞれ2箇所しかありませんし、まずは例外はないものと思っていいでしょう。後期の最後に、改めて伝達物質と受容体の関係、そして、各器官の作用を整理しようと思います。

後半は骨格筋線維の構造について取り上げました。明日の授業で筋の収縮と弛緩のしくみを説明しますが、この現象も筋線維、筋原線維の構造について理解していないと分かりません。自分で図を描くなり、特徴をまとめるなりして頭に入れておいてください。