2016年度 第16回 骨格筋と心筋、平滑筋の特徴

 最後の授業でしたが、骨格筋については前回の授業を補足するような内容でした。言葉の意味、使い方としては非常に重要ですので、授業内容を理解するとともに、改めて確認をしておいてください。

 「筋が収縮する」ことは長さが変化するというだけではなく、より重要なことは張力が生じているということです。したがって、したがって、等尺性収縮や等聴力性収縮のうち遠心性収縮があるわけです。例えば、等尺性収縮の場合、細いフィラメントが筋性の中央に向かってスライドし続けるわけではありません。たぶん、ミオシン頭部がATPを分解して形を変えた瞬間にはフィラメントは筋節中央に向かって動きます。しかし、ミオシン頭部がアクチンから離れた瞬間に反対方向(筋節の両端側)へ向かって引き戻され、再び最初の位置でミオシン頭部がアクチンと結合していると思われます。したがって、全体として筋節の幅、筋の長さは変化しないにもかかわらず、エネルギーを消費して張力が生じています。


 張力とは文字通り、引っ張る力です。筋が収縮する、つまり力を発揮するということは筋がどちらかの方向(あるいは両方向)に引っ張られているということでもあります。したがって、イメージの通り、生じる力を「張力」といいます。

 筋節の幅はかなり大きく変化させることができるようですが、どれくらいの幅から収縮するかによって発揮できる力の大きさに差があります。幅が小さくても大きくても十分に力を発揮することはできません。

 後半には心筋と平滑筋の構造と興奮、収縮に関する特徴を簡単にまとめました。すでに生理学2で学んだ内容ともオーバーラップするところが多いと思いますので、合わせて見直しておくといいでしょう。

 心筋の特徴は細胞自体に自動能があるということと機能的合胞体をつくっているということです。そして、特殊心筋が刺激伝導系をつくり、ここからの興奮の伝達を受けて固有心筋が収縮します。特殊心筋と固有心筋では活動電位のパターンに大きな違い、それぞれの細胞の性質を決める特徴があります。授業では詳しく説明できませんでしたが、心筋のもつ性質をよく理解しておくと、神経系からの作用をより深く理解できると思います。

 平滑筋の性質については取り上げられる機会が少ないかもしれません。細胞の形態や筋節の配列などの構造の特徴をよく見直しておくように。また、心筋と同様に合胞体をつくっている場合と個々の細胞が独立して収縮する場合があります。消化管や血管、気管などすでに学んだ気管については、それぞれの器官の機能と合わせて考えるようにしましょう。

 来週から前期試験が始まります。授業の内容を理解するには地道な努力が必要ですが、ある程度理解できていれば、試験はテクニックです。過去の問題を解きながらと傾向を分析し、しっかりとした対策を立てればクリアできます。Good Luck!!

2016年度 第15回 骨格筋線維の構造と収縮のしくみ

 今回は骨格筋線維がどのように収縮するのかを中心テーマにして、この機能に関わる構造から考えました。

 特に重要な構造は、筋形質膜が陥入してできたT細管、筋の滑面小胞体である筋小胞体、そして筋形質に存在する筋原線維です。

 T細管は内部が細胞外液(間質液)で満たされています。したがって、筋細胞内に陥入していますが、筋活動電位が伝導していきます。滑面小胞体が細胞ごとに異なった役割を持っていることは以前に説明しましたが、筋小胞体はカルシウムイオンを貯蔵するという役割を担っています。したがって、筋収縮にあたってカルシウムイオンを筋形質に放出したり、筋弛緩にあたってカルシウムイオンを回収したりします。筋原線維は筋節がつながってできています。筋節の構造は何度も描いてしっかりと頭に入れておくように。横紋という骨格筋の外見上の特徴を示すとともに、筋収縮のメカニズムはこの筋節の構造によって考えます。

 筋収縮のしくみ、滑走機能はプリントの図を見てよく見直しておくようにしましょう。アクチンとミオシンのはたらきはもちろんですが、神経筋接合部での興奮の伝達からの一連の現象として考えられるようにしておくことが大切です。プリント184ページの図を見ながら自分の言葉できちんと説明できるような何度も練習するように。

 来週は「筋のエネルギー供給」を取り上げるといいましたが、生理学2で「栄養・代謝」にまで進んでいないとのことでしたので、変更して「心筋と平滑筋」を簡単に説明して、第6章「感覚機能総論」に入ります。