ポッジ宮博物館

 ボローニャは北イタリアのエミリア・ロマーナ州の州都、フィレンツェのあるトスカーナ州の北、ミラノのあるロンバルディア州の東、ヴェネツィアのあるヴェネト州の南東部にあたります。
 現在のボローニャ大学はボローニャ市を中心としてエミリア・ロマーナ州各地にキャンパスがあります。学生数は約8万人とか。日本とイタリアでは大学の制度も違いますし、大学進学に対する考えまたもだいぶん異なっているようですので、一概に比較できませんが、イタリアのみならず、ヨーロッパでも有数の規模と質を誇る大学です。ボローニャ市内にあるキャンパスのうち、一般市民が比較的簡単に入れるのが、ポッジ宮(Museo di Palazzo Poggi)とよばれる建物です。ここにはいくつかの博物施設があり、見学することができます。一通りみてきたのですが、特に皆さんの興味にあうのは蝋人形としてつくられた人体標本でしょうか。
 現在のように解剖した標本を保存する技術はほとんどありませんでした。そんな中で解剖学を学ぶ手段として蠟でつくられた精巧な模型が利用されました。今回はこのボローニャのポッジ宮博物館とフィレンツェのラ・スペーコラ博物館でじっくりと見ることができました。いずれも18〜19世紀にかけてつくられた蝋模型です。

IMG_0343
 
 全身の骨格や筋の様子を観察できる立像や各筋ごとに分けて作製された標本が展示されていました。また、「ボローニャの小ビーナス」と呼ばれる女性の模型もよく知られているようです。成人にしてはやや小振りです。ガラスケースに入っている状態を撮影しているので、観にくいところがあると思いますが、胸部から下腹部にかけて、皮膚、筋、大網、消化管や肝臓と順に外していくことができます。よく見ると分かるのですが、子宮も開けることができ、中に胎児が入っています。

IMG_0338

 当時は今で言う助産婦(産婆さん)の教育も重視されていたようで、胎児の模型もたくさんつくられたようです。正常胎児だけではなく、いわゆる「逆子」や臍帯が巻き付いてしまった状態の胎児など非常に多くの模型が展示されていました。
IMG_0347

 蠟模型については日を改めて少し詳しく説明します。