第20回 体性感覚の伝導路と中枢、内臓感覚

 体性感覚の伝導路は、受容器から一次体性感覚野へ向かう3つのルートについて、その共通点と相違点をよくまとめておきましょう。特に、
   受容器の種類(または感覚の種類)、
   一次ニューロンから三次ニューロンまでの細胞体がどこにあるのか、
   それぞれがどこでシナプスをつくっているのか、
   脊髄を通る2つの伝導路では、脊髄のどこを通っているのか、
   さらに交叉するニューロンはどれで、どこで交叉しているのか、
がポイントです。

 勉強するとは、覚えることではなく、こうした内容を自分なりに整理することです。表がよいのか、図がよいのか、あるいは両方か。さらには、それらを文章で表現するとどうなるか、など、いくつかやり方はあると思います。

 三叉神経は脳神経の中でも大型で、ここに含まれる感覚神経は三叉神経節に細胞体があり、3つの枝(眼枝=眼神経、上顎枝=上顎神経、下顎枝=下顎神経)に分かれて顔面を中心に支配しています。脳幹に入って2つの感覚核へ入りますが、脊髄の伝導路と同様の構成で、精密触覚と固有感覚、粗大触覚と痛覚・温度覚と2つに分かれています。

 表在痛覚を担う2つの受容器・神経線維について進化的な説明をしましたが、後索路と脊髄視床路にの2つにも進化的な差があると考えられます。おそらくは脊髄視床路のほうが後索路よりも先に出現したのでしょう。それは、脊髄視床路が担う感覚の方が後索路が担う感覚よりも原始的と考えられるからです。

 痛覚の伝導路は、特に脊髄視床路については途中で分枝して脳幹に入ります。そして、その先に大脳辺縁系と視床下部があり、疼痛が「痛い」という感覚だけではないことを裏付けています。

 皮膚分節は、脊髄の分節性を頭に入れて考える必要がありますが、現象としては単純です。ここまで多くの複雑な構造や機能を学んだと思いますが、このようなわかりやすいしくみもあります。

 脳の感覚中枢として、視床と大脳皮質(中心後回)に分けて説明しました。視床は脳での位置と神経核の集合であり、感覚情報の中継所としての機能を頭に入れておきましょう。来週以降に取り上げる特殊感覚でも、聴覚情報と視覚情報の中継所として改めて触れることになります。

 大脳皮質の領野については解剖学で学ぶはずですが、概要は前期に触れましたので、忘れていれば見直しておきましょう。今日ふれた中心溝を境界として前頭葉と頭頂葉に分けられます。前頭葉には多くの機能がありますが、頭頂葉の機能としては一次体性感覚野だけしか取り上げられないと思います。

 一次体性感覚野は、体部位局在を中心にいくつかの特徴を説明しました。いずれも重要なポイントです。運動機能で一次運動野という、中心溝のすぐ前部(中心前回)の機能を考える機会があります。これら2つの領野には共通点の多く、合わせて考えることによりより理解が深まるでしょう。

 内臓感覚や内臓痛覚は簡単にしか触れられませんでした。生理学2で取り上げあられた内容とかなり重複します。ここで血圧の受容器を復習しておけといってもなかなか時間がとれないと思いますが、化学受容器と合わせて部位や名称だけは見直しておきましょう。温度受容器は体温調節機能のところでふれらると思います。

 関連痛は臨床の科目で学ぶと思います。その際は、内臓器官を中心にして説明されるのではないかと思いますので、体性感覚の伝導路との関わりを忘れないようにしておきましょう。

 追加で配布した「ストレス反応」については、内分泌系の機能の中で取り上げられるようです。侵害刺激は重大なストレッサーです。そのつもりで考えると良く理解できるのではないでしょうか。

 来週は味覚と嗅覚です。適刺激が何であるかそれほど説明は必要ないと思いますが、いくつか例を挙げて説明します。