第1回 イントロ、生体の階層性と恒常性

最初の授業で、いろいろ戸惑いもあったかもしれませんが、いかがでしたか? 冒頭で説明したように、授業はすべてスライドで進めていきます。ただきいているだけで分かったつもりにはなれますが、後で思い返そうとしても何も出てこないということになりかねません。今後順次プリントが配布されますが、各章ごとにおおよそ何回の授業があるのかあらかじめ分かっているのですから、次の授業でどれくらい進みそうか見当をつけてしっかりと予習するようにしましょう。どんな言葉や図が使われるのか、あるいはすでに持っている知識を受け皿として使えるのかどうか、など事前に分かった上で授業に臨むように。

さて、第1回目ということでスローペースで、できるだけたくさんの顔を見ながら進めました。特に抽象的な内容が多かったため、いろいろかみ砕いて説明もしたつもりです。生理学を学んでいく上でのキーワードは2つ、生体の階層性と生体の恒常性です。この2つの切り口で生き物、特に人体=ヒトを考えていきます。それぞれ具体的には来週以降の授業で説明します。逆に言うと、生理学を学んでいくということがこれら2つの概念を理解することでもあります。

階層性については、来週の授業で改めて各階層について説明した後、外皮系を例にして階層の組み立てについて考えてみます。プリントには消化器系も例として取り上げましたが、時間の都合で省きます(同じ内容が解剖学Ⅱ&Ⅳと生理学Ⅱ&Ⅳで説明されます)。また、生体を構成する分子については人体を構成する元素などについて概説しますが、高分子については『生理学のための化学』を各自で取り組んでください。今後、生理学Ⅰ&Ⅲでは必要に応じて各論的に取り上げていきます。

恒常性についてはプリントp22以下、概念について改めて整理した後、具体例として体液について考えます。イオンやpHについて基本的なことを知っている必要があります。

生理学は一見膨大な知識の集積のようにみえます。しかし、全体を貫く筋道のようなものが必ずあります。これが理論であり、ある程度つかめれば、単に知識の集積として詰め込むような勉強をすることなく、全体を理解することができます。もちろん、理論を身につけるためにある程度知識を詰め込む必要はあります。多くの人にとってはかなりの努力を要しますし、基礎となる知識と教養も必要です。

では、1年間よろしくお願いいたします。