2017年度 第28回 大脳基底核、大脳皮質、随意運動の伝導路

 今回は大脳の運動調節について、2つに分けて考えました。

 まず、やや不正確ではありますが「大脳基底核」として基底核とその周辺の神経核によって構成される神経回路の機能を取り上げました。神経回路のつながり方を全部説明できる必要はありませんが、線条体へ入力した情報が直接経路と間接経路に分かれて出力部である淡蒼球内節・黒質網様部へ作用して、視床へ出て行きます。直接経路と間接経路は出力部に対する作用が正反対になっているため、この2つの経路のバランスによって基底核は運動を調節しています。

 授業ではパーキンソン病とハンチントン病の例を挙げて、どのようにしてこのバランスが崩れていくのかを考えました。順序立てて考えていくということがどういうことかを学んで下さい。また、これらの疾患については病理や臨床(神経内科)の講義で学ぶことになるでしょう。

 大脳皮質はさらに高次の調節機能を発揮するとともに、一次運動野からは脳幹と脊髄のα運動ニューロンへ指令を出しています。α運動ニューロンは下位運動ニューロン記述した部分もあります。また、α運動ニューロンは骨格筋を直接支配するニューロンです。しがたって、骨格筋は一次運動野からの指令によって収縮、弛緩していると考えます。

 一次運動野の特徴は、すなわち、全身の骨格筋ごとの特徴を物語っています。一次体性感覚野の特徴とも非常によく似ていますので、理解しやすいでしょう。どちらも大脳皮質と末梢の機能の関係を考える上で非常に重要な点です。どちらを問われてもしっかりと説明できるようにしておきましょう。

 最後に、この一次運動野からα運動ニューロンへの伝導路を取り上げました。大きく2つの伝導路、皮質脊髄路と皮質延髄路に分けられます。皮質脊髄路が錐体を通過していることに代表させて、随意運動を支配する伝導路ということで、両者を合わせて錐体路または錐体路系とよびます。皮質脊髄路はさらに2つに分けられますので、錐体路系は3つの名称を挙げました。それぞれのルートがどうなっているのか、さらに、これらがどの部分の骨格筋の運動を支配しているかをしっかりと確認しておきましょう。特に皮質脊髄路の2つは必ず自分で図を描いて、必要事項を書き込むなど、手を動かして頭に入れること。

 来週は錐体外路について簡単に触れた後、第10章自律神経系にすすみます。構造は解剖学で学んだともいます。また、基本的な構成と機能は前期に説明しましたので、今回は遠心性神経の機能について、伝達物質と受容体を通して考えます。同時に、脳幹と視床下部にある自律神経機能の中枢についても解説します。生理学2&4でも器官の神経性調節としてたびたび取り上げられ、後期の試験範囲とも重なっていると思いますので、復習をかねて進めます。