第27回、第28回授業の記録

今年に入ってから2回分の授業をまとめてみます。

 脊髄が中枢として関わっている運動機能はすべて反射です。しかし、おおざっぱに反射弓の構成だけで分類してもたくさんありますが、ここの受容器や効果器ごとに分け出すときりがないでしょう。授業では、反射がどのようなもので、反射弓の構成はどうなっているのかを理解してもらう手がかりになり、なおかつ、脊髄反射として重要なものをモデルとして取り上げました。主に体性感覚で取り上げた感覚神経が関わった反射です。
 伸張反射と拮抗抑制、そして自原抑制は同時にまたは連続して生じる反射であり、伸張反射が唯一の単シナプス反射であるという点でもわかりやすいため、必ず取り上げられます。臨床的にも検査によく利用されています。
 詳細はくりかえしませんが、はじめにそれぞれの反射の刺激とそれによってどのような反応が生じるのかを押さえた上で、反射のもつ意味や意義を持っているのか押さえておきましょう。例えば伸張反射であれば、筋長が瞬間的に延びたことに反応して同名筋が収縮する反射であり、筋の長さを一定に保つことによって筋の損傷を防ぐためのフィードバック作用を果たしている、ということです。その上で、それぞれの反射弓を自分の言葉で説明できるようにしておきましょう。
 また、屈曲反射と交叉性伸展反射も日常的に経験するものであり、反射弓もそれほど理解する上で難しいものではないでしょう。伸張反射などに比べると、髄節間反射であること、または、脊髄で交叉している反射であることなどが反射弓を複雑にしていますが、図を見ながら考えてみましょう。

 脳幹は脊髄と同様に反射の中枢という形で運動機能を担っていますが、やはり脳の一部であるだけに、脊髄よりはやや複雑です。角膜反射などの反射弓の構成は単純ですが、眼球運動を担う前庭動眼反射や視運動性反応、頭部の運動が関わっている前庭頸反射や頸反射などの反射弓はかなり複雑な構成です。
 授業では特に眼球運動を重視して、前庭動眼反射と視運動性反応の反射弓を説明しました。いずれも、特殊感覚で取り上げた感覚神経が求心路とする反射です。前庭神経と視神経を求心路として眼球を回転させるために筋が反応する反射です。反射の反応はよく似ていますが、何を刺激とするかが異なります。生体がもつ調節機能の妙とでもいうべきでしょうか。
 また、対光反射は遠心路が副交感神経であるという点で、今回取り上げた他の反射(今回取り上げた反射の遠心路はすべて体性運動神経です)とは異なっていますので、注意してください。

 小脳は、運動に関する学習・記憶、そして随意運動を協調させる機能について説明しました。いくつか例を挙げて説明しましたが、私たちが当たり前のようにしている動作にもみごとな調節機能が働いています。。生理学でも、もっと詳しく説明するべきなのでしょうが、与えられた時間と自分の理解の程度では限界があります。臨床の授業では、小脳の障害に関して詳しく取り上げられると思いますので、具体的な症状を知ると、果たしている役割の大きさがより理解できると思います。

基底核は、解剖学的な構成がそのまま生理学的な機能に結びついていないため、ややわかりにくかったかもしれません。内的情報に基づいた運動の発現や遂行、終止を制御するために機能する神経核の集団というように理解した方がいいかもしれません。この神経核集団に対する入出力と神経核相互のネットワークは図に示したとおりで、これをこのまま覚えようとしても無理ですが、疾患によって障害された場合にどのように変化してしまうのかを、図を見て考えるようにしましょう。
 授業で説明したパーキンソン病は教科書にも取り上げられていますが、非常に有名な疾患です。病理学的な症状とそのために神経回路がどのように変化してしまうのか、ゆっくりと考えてみましょう。プリントでは他にもいくつかの疾患を取り上げました。余裕のあれば、是非自分で文献を当たって勉強してください。

教科書に取り上げられていても授業で説明しなかった反射がいくつかあります。国試でも時折出題されていますが、今回授業で取り上げた反射についてしっかりと理解していればいずれも簡単に正答できます。基本的な内容をしっかりと身につけておくことが大切です。