2016年度第5回 細胞質

 今週は細胞質を構成するサイトゾルと細胞小器官について列挙しながら構造と機能を概説しました。一つ一つ繰り返すことはしませんが、説明に用いた図を見ながら、それぞれの名称、構造の特徴、機能について自分なりに説明できるようにしておきましょう。

 赤血球や白血球、血小板については構造上の特徴や機能を学んだと思います。授業中に質問した内容も含めて見直しときましょう。

 ヘモグロビンは赤血球だけがもつタンパク質ですが、これは赤血球のサイトゾルにあります。もちろん、循環血中の赤血球は核のみならず、多くの細胞小器官を持たない、言い換えるとほとんどサイトゾルしかない非常に特殊な細胞です。脱核直後の網状赤血球を考えるとわかりやすいかもしれませんが、細胞小器官はありながらも、サイトゾルには大量のヘモグロビンが存在しています。また、血小板も細胞小器官を十分に持っているわけではなく、サイトゾルが大きな割合を占めています。血小板凝固に関わる多くの因子もこのサイトゾル中に含んでいます。

 白血球のうち、好中球や単球が分化したマクロファージは食作用を持ちます。食作用については6月の授業であらためて取り上げますが、食作用で取り込んだ微生物などを分解するためにリソソームが必要です。また、マクロファージが遊走していく場合には、細胞の形態を変化させたり運動したりする必要があります。このような現象には細胞骨格がその役割を発揮しています。

 来週、再来週の授業ではリボソームでタンパク質が産生され、さらに、粗面小胞体、ゴルジ装置での修飾、貯蔵を経て細胞膜へ運ばれていく過程を考えます。これらの構造や機能をしっかりとは見直しておくように。

 粗面小胞体と滑面小胞体は構造だけではなく、役割も全く違います。骨格筋や心筋における滑面小胞体は、特に筋小胞体(sarcoplasmic reticulum)といい、カルシウムイオンの貯蔵庫として機能しています。心筋の構造と機能もそろそろ学んでいると思いますが、骨格筋については前期の最後に取り上げます。

 来週は細胞分裂と染色体、そして遺伝子について取り上げます。予習をかねて、あらかじめ『生理学のための化学』9.核酸の構造と複製をよく見ておくこと。