第19回授業の記録

今週の授業では表在感覚を一通り取り上げて説明しました。3年生になって改めて取り上げる授業があるはずですが、患者さんに対して直接触れる部分の重要な特徴ですから、しっかりと見直しておいてください。

取り上げた感覚の適合刺激がどのような性質を持っているかは自明であるため、説明は省きました。それぞれの受容器の構造、反応のしかた、神経線維の種類そしてそれぞれがどのような感覚であるのかを軸にして、一覧表にしたり箇条書きにしたりしながら自分なりにまとめておきましょう。

触圧覚は受容器が5種類あります。授業で説明したとおり、分布と順応速度に差があります。構造的にもそれぞれ特徴がありますので、ほとんどは被包神経終末という点で共通しています。順応速度の差はそれぞれが刺激を受けたときにどのように反応するのかという差に一致します。

・刺激が加えられ皮膚が変形すると興奮し、変形の大きさに興奮頻度が比例しているのがメルケル盤とルフィニ終末です。したがって、これらの受容器は順応するまでにかなりの時間がかかります。
・皮膚が変形する速度に興奮の頻度が比例しているのがマイスナー小体と毛包受容器です。変形のしかたが速いと興奮頻度が高くなり、ゆっくりと変形すると興奮頻度は低くなります。形が一定な状態で維持されているとこれらの受容器は反応しなくなります。したがって、刺激を受け始めたうちは興奮していますが、ある程度刺激を受け続けて、皮膚の変形の程度が安定すると順応します。多くの場合、速く順応することになるでしょう。
・皮膚の変形の速度が変わったときに反応するのがパチニ小体です。例えば、変形していない状態(刺激を受けていない状態)から変形を始めたときや、変形が続いている状態からそれ以上は変形しなくなるときです。刺激の強さが変化すると変形するスピード(速度)が変わる、すなわち加速度が変化します。わずかな時間で生じる現象ですから、パチニ小体はいったん反応してもすぐに興奮がなくなります。つまり、非常に速く順応します。

温度感覚と痛覚は受容器が自由神経終末であるという点で共通しています。実体は軸索終末にあるイオンチャネルでですが、まだまだ研究途上にあると言っていいでしょう。授業では一部を紹介しましたが、まずは感覚点とそこある自由神経終末が反応していると理解しておきましょう。温覚受容器、冷覚受容器、高閾値機械受容器、熱痛受容器、冷痛受容器、ポリモーダル侵害受容器とそれぞれから伸びる神経線維の種類を整理しておきましょう。

また、痛覚、疼痛に対する理解は医学の基本だと思います。多くの患者さんはどこがか「痛い」と感じて治療を考えます。刺激とそれに応じる受容器の種類、その受容器が刺激されたときの痛みの感じ方をきちんと説明できるようにしておきましょう。自分で説明できるということが、他人の話を理解することにつながると思います。

前期末に配布した練習問題の解答に誤りがありましたので訂正します:(53) a:S(型)、b:FF(型)