2018年度第28回 脳幹の運動調節

 週末に引いた風邪が完治しておらず、時々咳き込んでしまい申し訳ありませんでした。

 さて、今日ははじめに脊髄反射を少し補足しました。いずれも歩行運動に関わって説明することのできる現象です。バビンスキー徴候は臨床でも必ず学ぶはずです。最後に、四足動物の歩法について簡単に触れました。興味があれば、是非自分で調べてみましょう。

 脳幹の構造は解剖学で学んでいるはずですから、簡単にお温習いしたのみです。大脳と脊髄の間を上下する伝導路(上行路はすでに学びました)の通り道です。また、循環器や呼吸器では、それぞれの機能の中枢としても説明されたはずです。今回取り上げた嚥下をはじめ消化に関わるいくつかの機能や排尿機能の中枢としても機能しています。全体として、生命維持や基本的な運動の調節中枢として機能しているといっていいでしょう。

 授業ではすべてを説明することはできませんでしたが、脳幹の位置づけは、脳神経に含まれる感覚神経や運動神経が、求心性神経あるいは遠心性神経として機能する反射の中枢です。脳神経に含まれる感覚神経ですから、多くは特殊感覚です。また、三叉神経支配領域の体性感覚も忘れてはいけません。特殊感覚しては、授業では前庭器官を中心に考えました。脳神経に含まれる運動神経は、いずれも顔面や頭部の筋を支配しています。これらのことを考え合わせると、脳幹が反射中枢となっている反射が、どのようなものであるかある程度分かるでしょう。

 具体的に取り上げた反射の中で特に重要な反射は、前庭動眼反射です。脳幹の重要な機能が眼球運動を司ることであると同時に、眼球運動を反射性に調節しているのは脳幹だけです。ヒトにとって視覚が最も情報量の大きい感覚であることも合わせると、眼球運動がどのように調節されているのかを理解することの大切さも理解できるでしょう。

 外眼筋とその支配神経について、解剖学で学んでいるや否や。プリントp414に簡単にまとめていますので、よく頭に入れておきましょう。

 前庭動眼反射の反射弓は、必ず自分で考えてみること。介在ニューロンの役割もよく理解できるでしょうし、伸張反射と拮抗抑制の関係とよく似て、互いに拮抗する筋の役割もわかりやすくなるでしょう。また、視運動性反応との違いもよく理解しておきましょう。

 前庭頚反射と頚反射も、受容器と効果器の反応についてしっかりと見直しておきましょう。プリントでは「頸」を使っていますが、「頚」でかまいません。

 来週は、小脳の機能、大脳基底核の機能について考えます。どちらもヒトでの機能はまだそれほどよく分かっているわけではありません。一方で、動物実験でもそれほどはっきりとした結果も出ないようです。そこで、ヒトにおける疾患などを取り上げながら、考えてみます。