第32回 覚醒と睡眠、言語機能、学習と記憶、発声

遅くなりましたが、最終回の記録です。

脳の高次機能、つまり脳独自の機能を取り上げました。睡眠現象は古来多くの人たちの興味を引いていたようですが、近年そのメカニズムの一端が明らかになってきました。その結果は不眠症などの治療にも生かされているようです。

睡眠を脳波の特徴で分類すると、ノンレム睡眠とレム睡眠に分けられます。そして、レム睡眠には睡眠時とは思えないような多くの特徴があります。よく整理しておきましょう。また、覚醒状態をつくり出す、あるいは覚醒状態を維持するためのしくみにも触れました。詳しく説明できませんでしたが、さまざまな感覚入力と、これを受けてはたらく脳の神経回路が重要な役割を演じているようです。

言語機能は発声機能とも関わらせて説明しました。ヒトに特有のきわめて重要な機能です。多くの人にとって左半球優位であるということとともに、授業ではあまり触れませんでしたが、構音機構(発声に関わる諸器官の運動によって語音をつくり出すこと)についても理解も大切です。声帯の構造とはたらき、そして、口唇や舌、口蓋、顎などの運動についても解剖学や2年生で学ぶ運動学などの知識を結びつけられるようにしておきましょう。

最後に、学習と記憶の機能は非常に関心の高い領域ですが、授業でも触れたようにまだまだ分かっていないことばかりです。前世紀(つまり十数年以上前)に比べると、飛躍的に理解は進んできていますが、まだまだです。授業ではこの分野を理解するための最も基本となるような現象や知識、研究手段などについて説明をしました。可塑性や長期増強などやや難しかったかもしれませんが、時折国試にも出題されていますので、よく見直しておいてください。記憶能力や学習能力が高まればいいなあとは誰しもが思うところですが、「こうすればいい」という特効薬のような効果を期待できる手段をつくり出すには至っていません。