オール・モーツァルト・プログラム

 先週の半ば(11月9日)ですが、格安のチケットが手に入り、オール・モーツァルトプログラムを楽しんできました。

 名古屋銀行が主催するチャリティーコンサートで、愛知県芸術劇場コンサートホールで座席指定ですが、わずか¥1,000。プログラムは
モーツァルト:交響曲第1番
モーツァルト:ピアノ協奏曲第27番
モーツァルト:交響曲第41番《ジュピター》
ソリスト・アンコールは
モーツァルト:ピアノ協奏曲第12番
オーケストラ・アンコールは
モーツァルト:ピアノ協奏曲第12番イ長調 K.414より第2楽章 アンダンテ[ピアノ独奏版]
モーツァルト:セレナード第13番《アイネ・クライネ・ナハト・ムジーク》から第1楽章
ピアノ独奏:イェルク・デームス(Jörg Demus)
指揮:梅田俊明
管弦楽:名古屋フィルハーモニー交響楽団

 この日のメインはなんと言ってもピアニストであるデームス、またまた巨匠の登場です。1928年ウィーン近郊の小さな街(ザンクト・ペルテン;Sankt Pölten)の生まれ。幼少期にウィーンで音楽活動をはじめ、現在もなお高く評価されているとのこと。モーツァルトやベートーベンの他、シューベルトやシューマンなどドイツ、オーストリアの作曲家を中心に、CDもたくさん出されており、私もシューベルトの歌曲の伴奏などで聴いたことがあります。少し歩行などが不自由のように見受けましたが、ピアノの演奏は問題なし。日本にもよく来られているようで、今回も何カ所かでリサイタルなどがあるのでしょう。

 演奏スタイルは、ほとんど肘から先しか使っていないのではないかと思えるほどで、鍵盤に指をただ置いているだけのような弾き方です。風貌はやや取っつきにくい感じがあるのですが、まるで子どもがおしゃべりしているかのような、かわいらしく、ぽんぽんした音色。ピアノだけが演奏する部分では自由にテンポを動かしながら、本当に子どもが遊んでいるかのよう。ただ、オケとあわせるべきところでは互いに聴き会いながらぴったりと寄り添って進んでいくところなど、老練なところも感じました。

 デームスは現在一般に使われているピアノだけではなく、古いタイプのピアノも演奏するそうで、そうした奏法を生かしているのかもしれません。

 オケの演奏では、モーツァルトの最初の交響曲、なんと8歳の時に作曲した第1番と最後の交響曲33歳(なくなる3年前)で作曲した第41番。偶然ですが、第1番の第2楽章で使われている音型が第41番の第4楽章でも使われており、なにやら因縁めいたものも感じさせる選曲です。交響曲第1番は決して演奏頻度は高くありません。一昨年の定期でも聴くことができましたが、こんなには約2回目があろうとは。

 指揮者の梅田はNHKのクラシック番組などで指揮している様子などを何度か見ているのですが、生は初めてです。テレビでは特徴を聴き取ることはできませんでしたが、生で聴いてみると非常に柔らかく、暖かみのある音色が印象的でした。41番は非常に壮大で力強い音楽です。それ故に、ギリシャ神話の最高神であるゼウス(ローマ神話でユピテル、その英語表記がジュピター)の名を冠して呼ばれています。梅田の指揮では、強さが猛々しい強さを示すのではなく、優しく包み込むような懐の大きさを示すように聴こえました。

 前回の記録がブログにありませんでしたので、プログラムだけ載せます。
 2014年11月19日、プログラムは
ブリテン:4つの海の間奏曲(歌劇『ピーター・グライムス」より)
モーツァルト:ピアノ協奏曲第9番変ホ長調『ジュノーム』
チャイコフスキー:交響曲第6番ロ短調『悲愴』
ピアノ独奏:広瀬悦子
指揮:ベン・ジャーノン
管弦楽:名古屋フィルハーモニー交響楽団
でした。