はじめてのベルリン・フィル

 先週は週半ばにベルリン・フィルのコンサート、週末はMETライブビューリングに名フィル定期と、芸術の秋を満喫しました。

 Berliner Philharmoniker、日本語ではベルリン・フィルハーモニー管弦楽団と訳されます。少しでもクラシック音楽、特にオーケストラの音楽に興味がある人になら説明するまでもないでしょう。世界に冠たるオーケストラです。数年に一度は来日していますが、名古屋に来るのは何年ぶりでしょうか? 今回はズービン・メータという、これまた現代を代表する巨匠を指揮者として、13日・水曜日の名古屋を皮切りに、10日間で全国で8公演の日本ツアーです。
 10月13日、愛知県芸術劇場・コンサートホールでプログラムは
   ブルックナー:交響曲第8番ハ短調
   指揮:ズービン・メータ
の1曲。(他の会場では、リヒャルト・シュトラウスとベートーヴェンのプログラムも演奏されるようです)

 80分余のじっくりと聴くべき大曲ですが、曲というよりも演奏に圧倒され、あっという間に終わりました。
この曲は学生時代に一度やったという思い入れもあり、大枚をはたきましたが、その価値は十分にありました。弦楽器、特に低音部の迫力は表現のしようがありません。腹にどーんと響いてくるような圧力を感じました。オケが鳴っているというよりも、舞台全体が1つになって鳴っているといえば分かるでしょうか。

 ブルックナーについてはここ(名フィル定期(第471回))を観てください。

 オケの音楽の特徴の1つは、弱音から強音までダイナミックスレンジの幅が大きいことです。しかし、どんな弱音も目の前で鳴っているかのようにしっかりときこえ、逆にどんな大きな音も決してハレーションすることなくここの楽器の音が聞き分けられる。ふしぎな響きでした。もちろん、音楽の表現力はすばらしく、オケ全体が1つの生き物のように自由自在に動き回っているかのようでした。CDや映像で見聞きするのとは全く違います。

 ベルリン・フィルのメンバーの演奏はこれまでにも何度か聴いています(名フィル第447回定期446回定期2016年バレンタイン・コンサート2014年ベルリン・フィル八重奏団名フィル第409回定期第402回定期)。もちろんどれもすばらしい演奏でしたが、その彼らがひとまとまりなってつくり出す音楽は想像がつきませんでした。一人一人の能力=音を生かしながら、全体が調和することによってより高い次元=音楽を実現するということでしょうか。

 指揮者のメータはインド出身の指揮者で、今年83歳。やや 脚がお悪いようで、舞台へは杖をついて入り、終始椅子に座っての指揮でした。しかし、全曲暗譜、テレビで何度か観ているとおりの指揮ぶりでした。終演後は万雷の拍手。オケが引き上げた後にも、メータが舞台へ。

 残念ながらやや空席もありました。今回聴きに行ったベルリン・フィルの他、ウィーン・フィルハーモニー、そしてオランダのロイヤル・コンセルトヘボウの3つのオケをもって、「世界三大オーケストラ」といいますが、実は1週間前にウィーン・フィルが、そして1週間後(20日)にロイヤル・コンセルトヘボウが名古屋に来ます。3週続けて聴きに行く方もいらっしゃるのでしょうか。いずれも高額。さすがに一回当たりのお客さんは少なくなります。