名フィル定期(第361回)

すっかり夏休みをしてしまいましたが、うまい具合に9月に入って最初の週末に演奏会がありました.

今回の名フィル定期は、「夏風の中で」と題して、常任指揮者のティエリ−・フィッシャーの指揮で
ウェーベルン:牧歌「夏風の中で」
ベルク:ヴァイオリン協奏曲「ある天使の想い出に」
ストラヴィンスキー:バレエ「火の鳥」全曲
でした.

正直言ってヘビーでした.居眠りしなかったのが不思議なくらい(*^^).
三人とも20世紀に入ってから活躍した作曲家で、特に前半の二人は「前衛音楽」というか、いわゆる「現代音楽」といわれて誰もがイメージするような音楽をつくっていた作曲家です.ですから、電車の中でiPodで聴いてみるとか、パソコンに向かって書き物をしながら聴くということのできない曲.かといって、真剣に聴いてもわかったようなわからないような、スコアも手に入らなかったので、ほとんど予習もできませんでした.

それでも、1曲目のウェーベルンの曲は、牧歌と題しているだけあって、まあメロディカルで、少し楽しめました.15分くらいの曲ですが、オーケストラの編成は大きく、いろんな響きを楽しむことができました.ただ、夏風?という感じではありましたが(^_^;

問題は2曲目、いつまでたってもこの手の曲は苦手(>_<)ゞ どこを聴いていいのかよくわからない上に、決して口ずさめるようなメロディーではないため、後で思い出そうとしてもなかなか頭の中で鳴ってくれません.ソリストは、フランス出身のオーギュスタン・デュメイという、現代を代表するヴァイオリニスト.正直よく名フィルにきたなというくらい(^ニ^)
終了後は客席のあちこちから「ブラボー」と声がかかっていたし、きっとすばらしい演奏だったんでしょうが、…>_<… 

ソリストはたいていアンコールとして小品を演奏してくれます.この日はオケ付きで、モーツァルトのヴァイオリン協奏曲第3番の第2楽章でした.聞き慣れた響き、これならわかります.
しかし、これがヴァイオリンの音(?_?)エ?、今まで聴いたこともない軽やかで、甘くうっとりするような音でした.ため息が出るのを通り越して、ただ聴き入るばかり.

CDでヴァイオリン協奏曲などを聴くと、ホールで生で聴くよりもヴァイオリンの音が大きく響くことがあります.スタジオで録音してミキシングしているんだろうなあと思っていたのですが、このモーツァルトは、それほど大きな音ではないはずなのにヴァイオリンだけが目の前で弾いていているようにきこえます.
このデュメイのベートーヴェン・ヴァイオリン・ソナタ全集を持っているのですが、確かにいい音です.ただ、モーツァルトとなるとまたひと味違った、別人のような音でした.

さて、メインは6月の定期と同じ、ストラヴィンスキーのバレエ音楽.今回は約50分に及ぶ全曲版(組曲スタイルなので、抜粋で20分くらいに縮めて演奏されることが多い).
こちらは比較的なじみのある曲なので、何とかついて行けました.途中管楽器に乱れがあったような気がするのですが、最後はしっかりとまとめ上げて一気に盛り上がったところは、指揮者の腕でしょう.
ちなみに、題名の「火の鳥」はロシアの民話に基づくお話で、手塚治虫とは関係ありません.
これも大編成で、ハープは3台もいます.打楽器も活躍するので、観ていても飽きませんでした.

さて、来月は日本を代表する指揮者である尾高忠明が、もっとも得意とするエルガー(「威風堂々」が有名です)の交響曲を振ります.