名大のキャンパスコンサート

 水曜日(6月13日)の夕方、名大の豊田講堂で、名大と愛知県立芸大の主催の「キャンパスコンサート」で
ピアニスト、ケヴィン・ケナーのリサイタルがありました。

 毎年2~3回のペースで、主にピアノまたはピアノを含むアンサンブルのコンサートがあります。入場料は無料です。稀ですが、一流の演奏家が招かれることもあり、今回のケナーはアメリカ出身、1990年にショパンコンクール最高位、チャイコフスキーコンクールで入賞を果たした経歴を持ち、世界中で活躍をしているそうです。

 ピアノのコーンクールでは、ショパンコンクール(ワルシャワ、5年ごと)とチャイコフスキーコンクール(モスクワ、4年ごと)、そしてエリザベート王妃記念(ブリュッセル、各年1楽器で4年ごと)がよく知られています。1990年はちょうど、ショパンコンクールとチャイコフスキーコンクールが同時に行われた年です。20年に1回、同じ年ですね。

 豊田講堂は1500席くらいあるはずですが、県芸の学生や名大の近くにお住まいと思われる方など、ほぼ満席。

 プログラムはショパンの作品と、ショパンと同じポーランド出身の作曲家パデレフスキの作品でまとめられて、
ショパン
前奏曲嬰ハ短調 作品45
ポロネーズ第5番嬰ヘ短調 作品44
《3つのマズルカ》作品63
《4つのマズルカ》作品68より 第4曲 (ケナー編)
バラード第4番ヘ短調 作品52
パデレフスキ
《作品集》作品16より第4曲「夜想曲」
《6つの演奏会用ユモレスク》作品14より 第6曲「楽興の時」
ピアノ・ソナタ変ホ短調 作品21

アンコールもパデレフスキの作品で
メヌエット作品14−1
カプリス作品14−3
の2曲でした。

 ケナーは1963年生まれで、演奏家としては脂ののったと言ってよいでしょうか。長身ですが、ピアニスト特有のやや猫背。大きな身振りはなく、静かに鍵盤に指を触れているような感じでした。音量の幅は大きく、時に激しいフレーズもありますが、後ろ姿は淡々としていました。

 ショパンをたとえて「ピアノの詩人」と言います。いろんな意味にとることができると思います。今回の演奏は、ショパンが書いた詩を、ケナーが朗読されているのを聴いているような気分になりました。感じるままに音にしているような、飾り気のない演奏でした。

 パデレフスキは、今回初めて名を聞いた作曲家です。19世紀後半から20席前半に活躍したピアニストにして政治家。今回演奏された曲を聴く限り、卓越したテクニックを持つすばらしいピアニストだったようですが、同時に第一次世界大戦後のポーランド共和国の首相も務めたそうです。

 最後に演奏されたピアノ・ソナタは、激しい中にロマンチックな香りがして、非常に聴き応えがありました。また是非聴いてみたい曲です。